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   画像:文章作法

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画像:エッセイ脳

『エッセイ脳』

岸本葉子/著 中央公論新社 2010 年

   エッセイストである著者が、自作エッセイを分析し、文章術を論理的に解説します。大前提は「自分の書きたいこと」を「他者が読みたくなるように」書くこと。読み手に「あ、そう」ではなく、「ある、ある、へぇーっ、そうなんだ」と思わせること。
   彼女が説く短い文字数で伝える技術は、エッセイだけではなく、メールやSNSなどでの短文のやり取りが増えた現代にこそ、必須の技術ではないでしょうか。

画像:文章読本さん江

『文章読本さん江』

斎藤美奈子/著 筑摩書房 2007 年

   谷崎潤一郎以降の文豪や、それに続く数多くの文章読本を読み解き、その独特な有り様を痛快なまでにさらけ出した評論です。「五大心得」「三大禁忌」「三大修行法」といった共通の傾向を指摘するに留まらず、学校の作文教育の歴史にまで遡って調べ、文章読本を求める側の意識についても分析する手腕は見事で説得力があります。
   現役作家をして“この本を無視しなければ「文章読本」を書くことはできず”とまで言わしめた労作です。

画像:文章読本

『文章読本』

三島由紀夫/著 中央公論新社 2020 年

   読者を「普通読者」から「精読者」に導きたい、として書きはじめられた本書は、日本語の文章の歴史を概観し、様々な文章を鑑賞します。古今東西の文章に精通した三島らしく、豊富な実例で文章や技巧の美しさを率直な好悪と共に論じています。やがてそれは、三島自身の文章技巧の解説へつながるのです。
   小説を深く味わう「精読者」への道しるべとしてだけではなく、三島文学の文章技巧の一端に触れることができる書でもあります。

画像:十頁だけ読んでごらんなさい。

『十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽いたらこの本を捨てて下さって宜しい。』

遠藤周作/著 新潮社 2009 年

   「十頁」ではページをめくる手が止まらない、遠藤周作による手紙の書き方の本です。筆不精をなおす方法にはじまり、恋文や見舞状の例文を挙げながら、あなただけのオリジナルの手紙を書く方法をユーモアあふれる語り口で教えてくれます。
   この本の原稿は執筆から 46 年の歳月を経て、著者の没後に発見されました。遠藤が文書作法をまとまった形で書いたものは他になく、特別な価値があると言われている作品です。

画像:文章毒本

『文章毒本』

塩田丸男/著 白水社 1996 年

   「文豪諸氏による文章読本はあまりにも文学的であり過ぎる」とは、著者の言葉。あくまで日常的な文章の書き方であれば、文学ばかりが文章ではなく、名文を読むことはそれほど役に立つものではない、としています。
   本書では、有名作家の文章から、ありふれた新聞記事までピックアップし、ユーモアを交えながら、日常生活で必要な文章の書き方について、わかりやすく解説します。

画像:書くことについて

『書くことについて』

スティーヴン・キング/著 小学館 2013 年

   現代アメリカを代表する作家がどうやって自分をつくりあげていったのか、生い立ちから書き起こした、異色の自伝的文章読本です。母子家庭に育った少年時代、作品を読んだ母の言葉、初めてプロの編集者から言われたアドバイス、出世作『キャリー』誕生秘話など数々のエピソードが明かされます。
   書く場所の環境づくりから、自作を解説しながら指南する小説作法まで、書くことへの真摯な姿勢が貫かれています。

画像:文章のみがき方

『文章のみがき方』

辰農和男/著 岩波書店 2007 年

   本書では、夏目漱石、井上ひさしなどの作家や、岡本太郎、小沢昭一など多彩な書き手による言葉を例に取って「文章のみがき方」を解説します。「毎日、書く」、あるいは「辞書を手もとにおいて」など、ごく当たり前のことに加えて、できるだけ多くの名文に触れることが、実は「文章をみがく」一番の近道。
   朝日新聞の名コラム「天声人語」を担当していた作者が論じるだけに説得力があります。

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