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ブックデザインの歴史や、ブックデザインの中で大きな位置を占めるフォントについて、また本を自分で作る際に参考となる本等を取り上げました。
『日本のブックデザイン一五〇年 装丁とその時代』
平凡社 2023年
西欧文化や海外小説の受容が進んだ明治初期から現在に至る約150年間を、装丁の変遷を切り口に振り返るビジュアルブック。与謝野晶子の『みだれ髪』を代表とする近代の話題作、画家や版画家による装丁が出版界を彩った昭和初期、作家や編集者、デザイナーなど多方面の文化人によるブックデザインの時代へ変遷していく様子を紹介しています。原弘、菊地信義ら巨匠6人のラフデザインや版下原稿、弟子や近親者の証言なども収録されています。
『<美しい本>の文化誌 装幀百十年の系譜』
臼田捷治/著 Book & Design 2020年
美しい意匠をまとわせた、夏目漱石の『吾輩は猫である』(1905年刊)から、ポストデジタル時代である2010年代に活躍している装幀家まで、日本における近・現代の装幀の歴史と変遷をまとめた本。戦前の画家や版画家による装幀から戦後のグラフィックデザイナーによる装幀への変化、西洋との比較、洋装本の定着と洋紙の普及、漢字仮名交じりの日本語表記を踏まえたタイポグラフィなどの観点から論じられています。
『現代日本のブックデザイン史1996-2020』
長田年伸/編 川名潤/編 水戸部功/編
アイデア編集部/編 誠文堂新光社 2021年
現役ブックデザイナーの長田年伸、川名潤、水戸部功が、1996年から2020年までに商業出版された書籍から約400点を選び、本のジャケット正面のデザインスタイルごとに紹介する本。水戸部が「何かひとつでも更新できているだろうか」自問するように、制約の多い本のデザインへ、今のデザイナーたちが挑戦した作品が一堂に会しています。紹介作品の全てが俯瞰できるカラー年表と、編者らが別の有名ブックデザイナーらと行った対談も収録しています。
『美しいブックデザイン』
デザインノート編集部/編 誠文堂新光社 2024年
現在活躍している日本のブックデザイナー21名(組)が手掛けたブックデザインを600点以上掲載。制作プロセスにおいて重視していること、デザイナーとしての強み、ブックデザインの可能性などを語るとともに、掲載作品の選定とそれぞれの解説を自ら行っています。コンセプトやデザインの意図など、デザイナーの考え方が垣間見えるとともに、実体のある「紙の本」に対する愛情が伝わります。版型等の仕様や用紙、印刷等の詳細あり。
『クリエイティブ・ブックデザイン ユニークな印刷・加工・製本アイデアコレクション』
センドポインツ・パブリッシング/編 グラフィック社 2025年
世界のブックデザイナーたちによる奇抜なデザインの書籍やZINE(ジン)(個人または少人数の有志が非営利で発行する自主的な出版物)84冊を、「包む・隠す・折る・切る・打破する」の5つのカテゴリーに分けて紹介する本。波型の小口、複雑に織り込まれたページ、判型の違う用紙を製本したものなど、挑戦的なデザインの本が満載です。非凡なアイデアで本を作り出す、デザイナーへのインタビューも収録。彼らの世界観とストーリーを堪能してください。
『印刷、紙もの、工場見学記』
デザインのひきだし編集部/編 グラフィック社 2021年
ブックデザイナー・名久井直子による、印刷や加工現場の見学記。平滑で光沢のあるキャストコート紙、オフセットインキ用の顔料、銅板印刷、箔押し加工、和綴じ製本、ファインペーパーの物流倉庫などの現場を訪れ、職人たちのこだわりを分かりやすくレポートしています。工場の武骨な魅力や、最新鋭の機器と匠の手わざの対比が新鮮です。彼女が感じる製品への感想やアイデアは、本を作るデザイナーならではの視点で、はっとさせられます。
『フォントの話をしよう』
パイインターナショナル 2021年
施設のブランディングや商品パッケージ、書籍の装幀、雑誌やウェブデザインなどにおけるフォントについてのインタビューをまとめたもの。企業やコンテンツの印象や価値を高めるために、デザイナーたちが何にこだわって仕事をしているかを語っています。紹介されている作品群を見ていると、ターゲットの年代や製品イメージを考え抜いて書体を選ぶことが、新たな顧客を生むきっかけにもなるため、その重要性が伝わります。
『装丁道場 28人がデザインする『吾輩は猫である』 』
グラフィック社編集部/編 グラフィック社 2010年
「『吾輩は猫である』をもう一度楽しんでもらう」をコンセプトに、多方面のデザイナーたちが装丁や文字組みを新たにデザインした本の競作集。名作にふさわしい特別感をたたえたものや、手帳感覚で楽しめるもの、栞紐の先にふさふさの尻尾を付けたものも。ケータイ世代がスッと馴染める本、リニューアルなんてお構いなしに猫が足跡で汚してしまうイメージなど、アイデアの原点にも触れられます。思わず手を伸ばしたくなる装丁が勢ぞろいです。
『本をつくる』
鳥海修・高岡昌生・美篶堂/著 本づくり協会/企画・監修 永岡綾/取材・文 河出書房新社 2019年
一篇の詩のために文字をつくる―そんな途方もない企画に参加したのは、書体設計士・鳥海修。詩人・谷川俊太郎をイメージしてフォントデザインを何度も修正し、1年以上をかけて完成させていく様子は脱帽です。谷川が詩を書き下ろし、組版工・活版印刷職人の高岡が字間や余白の設定、用紙の選定、印刷を行い、製本工房・美篶堂の職人達が手織り製本で完成させるまでの記録です。完成した蛇腹織りの限定本の美しさは、ひとことでは言い表せません!