猫実在住 40代男性 震災体験談(震災発生翌日〜現在)
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猫実在住 40代男性 震災体験談(震災発生翌日〜現在)
PDF版
インタビューを書き起こした記録です。
コンテンツ番号 UT00000010
説明・要約
【震災当日】
●自宅の様子:一時帰宅できたのは3月12日の朝。当時の自宅は築数十年の古いアパートだったので、「もしかしたら自宅は倒壊しているかも」と腹をくくっていました。自宅に戻ってみると、家の中は特に家財道具が倒れたり、物が散乱していたりということもなく無事で、横揺れのためにカギをかけていなかったサッシが開いていたくらいでした。アパートの場所が元町エリアだったので、水道やガスなどのライフラインも無事でした。まあ、蛇口をひねるといつもよりやや水圧が弱いかなと感じたくらいですね。
●震災翌日からの業務:震災翌日からは図書館内の復旧作業と避難所の対応、市役所での救援物資の仕分けなどを行いました。そうやって日々動き回っていたものの、例えば救援物資が来た直後はバタバタと忙しくなりますが、次の物資が届く時間が把握できていないので、待機時間がやみくもにできてしまうなどもありましたね。発生直後は現場での指揮系統や、どの対応を優先するべきかの統制がとれず混乱していました。。市民の皆さんをより安全な状況に誘導するという我々の立場からすると、非常にもどかしい思いでしたし、多くの課題が残ったと思います。
●図書館が再開して現在まで:4月上旬までは被災対応にあたり、市内の下水が完全に復旧してから図書館は再開しました。4月25日のことです。図書館はいろいろな情報が集まる場所です。しかし、あのときは1カ月以上も閉館を余儀なくされ、情報を発信できなかったのは、図書館員として悔いが残ります。ネットやテレビなどでも情報は受け取れますが、やはり市民に密着している図書館だからこその役割はあると思います。あの混乱期、沢山の情報が世間で飛び交いました。どれが本当で、どれがウソかなんて見分けがつかないくらいに。「誰か正しい情報を教えてくれ」という投書を新聞で見かけました。図書館の果たすべき役割はそこにあると思います。「正しい情報」というものはありません。ただ、もしもの時、図書館が様々な情報を市民の皆さんに発信することは、「判断の基礎」を提供することになるはずです。私にとってあの震災は、今後の図書館のあり方をとても考えさせられた出来事でした。