美浜在住 60代男性 震災体験談(震災当日の出来事)
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美浜在住 60代男性 震災体験談(震災当日の出来事)
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インタビューを書き起こした記録です。
コンテンツ番号 UT00000167
説明・要約
●関東大震災を経験した母の言葉を思い出す:妻と次男の三人、家族全員で家にいました。家は2階建ての戸建で、2階には3部屋あります。私は、寝室にパソコンを置いておりまして、その前にいました。妻はクローゼット、次男は自室です。地震発生時は、大きなゆっくりとした横揺れがありました。普通のガタガタっとした揺れとは違って、「これはおかしいな」と思いました。地震発生の際は「とにかくまず玄関を確保せよ」というのが鉄則なので、すぐに玄関を開けて庭に出ました。その際、母の言っていた言葉を思い出したんです。関東大震災の時に母は子どもだったのですが、「歩けなくて、這っていって、やっとの思いで庭先の縁台につかまった」ということなんですね。今回の地震も立っていられなかった。とにかくなんとかして庭の木に触りました。そんななか、家内と息子も降りてきました。家内は愛犬を抱えて出てきました。
●震災2年前に建てかえた家は、被害なし。外構は被害。:庭の駐車場に停めてある車を見ると、ユサユサと上下に大きく揺れていた。それほど大きな地震だったんですね。ところが、家の中のものは皿一枚割れなかった。たまたま2年ほど前に建てかえをしたんですが、関東大震災クラスの大地震が来るという想定で建てかえたんです。倒れたものも崩れたものも、幸い何もありませんでした。一番重視したのは耐震免震という点で、建物の基礎は揺れを逃す免震機能を有するやり方を選びました。また、塀の中の鉄筋をL字型にして、耐震構造の強化も図ったんですね。最初は単なる棒型の鉄筋だったのですが、「これでは倒れる」と思い、やり直してもらったんです。特に吹き抜けの部分は、2×6(ツーバイシックス)にしました。
●次男とともにカメラを持って、家周辺の安否確認をする:発生後しばらくしてから、息子と一緒にカメラを持って1時間ぐらい近所を歩き回り、ご近所さんの安否確認をしました。その間、家内はご近所の方と安否確認など情報交換をしていました。特に不在のお宅の庭で水道管が破裂していて水が流れているところがあって、「これは止めなくては」と思いました。勝手に入って悪いのですが、途中で会った自治会の役員の方にごいっしょしてもらい、水道の元栓を止めました。あともっと怖いのはガス。自動ロックしますが、念のためご近所の元栓を確認して回りました。その後は、近所の安否確認と自宅での情報収集とを交互にしていました。あらかじめハザードマップを頭に入れていましたので、リスクの高い場所を優先的にピンポイントでチェックするようにしました。特に倒れやすいい塀が危険だと訓練で教わっていたのですが、実際に倒れている塀を見ると「あんなコンクリートの塀が倒れるのか」と驚きました。また、ご年配の方には、「水は大丈夫ですか」などと、とにかく声をかけて回りました。あれだけ大きな地震でしたが、幸い周辺でのケガ人は一人もいなかったんです。