高洲在住 60代女性 震災体験談(震災当日の出来事)
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高洲在住 60代女性 震災体験談(震災当日の出来事)
PDF版
インタビューを書き起こした記録です。
コンテンツ番号 UT00000027
説明・要約
●車の中での被災 そのときはちょうど出かけるところで、車に乗ってすぐぐらいだと思います。大きな揺れを感じブレ ーキを踏みました。最初は何が起きたか分からず「なんだろう?」といった感じでした。そのとき、 ちょうど目の前を宅急便の大きなトラックが走っていたのですが、そのトラックも同じく停車してい ました。そこでこれは「ただ事じゃない」ということがわかったんです。揺れが収まるまでは車内に いた方が安全と思い、車内にて待っていました。揺れが収まったので一度車外に出たのですが、また 揺れを感じたので車内に戻りました。
●母の入所している施設へ向かい、液状化の被害に遭遇 自宅から車で 5 分も掛からない場所にある高齢者のリハビリ施設に母が入っていて、その様子を見に 行くところだったんです。揺れが収まったので、急いで施設に向かいました。
施設の前に着いてみると、海のすぐそばということもあり液状化の被害がすごかったです。外の道路 と施設の駐車場をつなぐ道に 30〜40cm ほどの大きな段差ができていていました。そして泥水もたくさ ん出ていました。5 分早く着いていたら、車が出せなくなっていたところでした。駐車場には入れない ので、前の道路に車を停めて施設の中へ向かいました。
中へ入ると、いつもは静かな施設もこのときはただならぬ様子でした。施設には先に娘が来ていたの ですが、母も娘も怪我なく無事でした。ふたりは母の部屋で被災したそうですが、私が行ったときに はホールに他の入所者の方と一緒でした。母は車椅子ではなかったのですが、避難のためか車椅子に 乗せられていました。母ひとりであれば大変だったかもしれないですが、娘が一緒だったこともあり 比較的落ち着いている様子でひとまず安心しました。施設の方が「津波が来たらどうしよう」と話し ていてまだ心配もあったのですが、自宅のことが気がかりだったので帰宅しました。
●帰宅後、悲惨な自宅の姿 自宅は 14 階建てのマンションの 9 階で、エレベーターが止まっていたので階段で上りました。自宅の ドアを開け中に入ると、台所の食器棚が倒れ食器が飛び出し、床に破片が散らばっていました。ちょ うどその棚の置き方が、揺れの向きに弱かったようです。他に同じような棚があったのですが、その 棚は倒れた棚とは別方向を向いて置いてあったのでまったくの無事でした。中には気に入った皿や食 器があったのでとてもショックでした。耐震対策をしていなかったのが悔やまれますね。次にライフ ラインの電気・ガス・水道をチェックしましたが、全滅でした。
夫は都内で働いていたのですが、電車が止まってしまったのですぐ帰ってくることはできませんでし た。そこで都内で自転車を買い、それに乗って夜中に自宅へ帰ってきました。夫を含め、家族に怪我 がなかったのが幸いでした。