弁天在住 60代女性 震災体験談(震災発生翌日〜現在)
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弁天在住 60代女性 震災体験談(震災発生翌日〜現在)
PDF版
インタビューを書き起こした記録です。
コンテンツ番号 UT00000100
説明・要約
【震災発生翌日〜現在】
●翌日からは液状化で出た泥の処理 地震翌日からは液状化で出た泥のかき出しを始めました。水を含んだ泥は予想以上に重く その作業は容易なものではありませんでした。近くのマンションに娘が住んでいるんです が、手伝いに来てくれました。しかし、やってはみたものの、泥の重さにあまり作業はは かどりませんでしたね。
ボランティアの方にお願いしようとしてみたんです。でも「ボランティアを派遣できるの は玄関が塞がってしまったりしている方だけ」と最初は断られてしまったんです。そこで 近所の友人に相談してみました。すると、近くの集会場にボランティアの受付があると教えてくれたんです。そこで直接行ってボランティアの派遣をお願いしたところ、あっさり 来ていただけることになったんです。地震から 1 週間後ぐらいだったと思いますが、お願 いしたボランティアの方々が来てくださり、やっとあらかた綺麗になりました。
このようなボランティアの情報は町内からからも市からも、知らせはなかったです。でき ればそういった情報は回してほしいと思いました。
●震災後の水の確保が大変だった 水道は 10 日ほどダメになったので、その間近くの小学校に給水車がきたのでもらいに行 きました。ダイエーでは水が安売りになり、整理券をもらって飲料水を確保しました。そ ういった買い物に行くのに自転車を使うことが多いのですが、道も悪かったですし通行止 になっている場所もあったので、移動にいつもの倍の時間かかってしまっていました。あ と地震後すぐは土埃がやはりすごく、マスクを付けないと出歩くのが大変でした。
自宅は下水がダメになっていましたので、洗濯やお風呂、トイレなどは近くの娘の家でさ せてもらっていました。娘のマンションは被害がほぼなくて非常に助かりました。トイレ に関しては、簡易トイレも併用していました。
料理に関しては、カセットコンロで 30 日くらいは凌ぎました。この経験から今はカセッ トコンロ用のガスボンベをたくさんストックするようにしています。
あと、地震後に変えたこととしては寝室を変えました。前まで寝ていた部屋はタンスなど 倒れやすいものが置いてあったので、今は何もない部屋で寝るようにしています。
●店を再開したものの 問題が山積 ライフラインが元通りになったのが地震から 40 日後でした。そこから店も再開しました。 しかしお客さんはまったく来ませんでしたね。再開できた喜びの反面、とても辛かったで す。理由としては、道が悪いところも多かったせいで、皆さん出歩きたがらないというこ と。そしてうちのお客さんは車で来られることが多いのですが、通行止になったりして、来ようと思っても来られなかったことも多かったようです。なので地震前は水曜だけ休み だったのですが、日曜日も定休日にしました。たくさん焼いても余ってしまうので、品数 も量も絞りました。4年経った今でも地震前の売り上げの半分ほどです。
●自宅の修繕を決意 自宅はすぐ修理しないで 1 年ほど放っておきました。しかし、主人が頭痛を訴えるように なり、修繕を決めました。測ってみると一番ひどいところで 14cm も下がっていました。
奈良の業者にお願いしたのですが、決まるまでがまた大変で、いろんな業者が訪ねてきたり電話してきたりととてもうるさかったです。中には悪徳なところもあると聞いていたので注意深く選びました。
実際の工事は2週間ほどで終わりました。土地が下がった影響で玄関のところにあった階 段が一段減りました。一応は直ったのですが、まだ土地が少しずつ動いているらしく、別方向に今も少しずつ傾いています。