入船在住 60代男性 震災体験談(震災当日の出来事)
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入船在住 60代男性 震災体験談(震災当日の出来事)
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インタビューを書き起こした記録です。
コンテンツ番号 UT00000123
説明・要約
 ●職場で感じた大きな揺れ 都内の職場で激しい揺れを感じました。窓から外を見ると周辺のビルから大勢外に飛び出 していたので、相当大きな地震だってことはすぐわかりましたね。テレビをつけると速報 が入っていて、とうとう巨大な地震が日本に来たなと思いました。
●震災発生後の帰宅命令は良くなかった 交通機関が次々に止まってしまい、会社に戻れない社員もいました。どのビルでも防災訓 練をやってるでしょ。でも、いざ本物の災害が起こったときに、どれくらいの状況で指定 避難場所に逃げるべきかの判断が難しい。しかもあの日は大抵の会社で帰宅命令が出まし たから、道には大勢の人が溢れ返り、帰宅困難者も出てしまったわけで……あの判断は失 敗でしたよね。
東日本大震災の経験を踏まえて、今ではオフィスビルにも物資が備蓄され、災害時は建物内で待機するようにという風潮になっています。でもあの当時は本当にどうしたらいいの かがハッキリわかりませんでした。あの日はうちの会社でも 9 割くらいの社員が徒歩で帰 りました。後で聞いたら明け方まで歩いてヘトヘトになって帰宅した人も多かったです。
自宅があまりにも遠い社員を含め、私は会社に残りました。8 時間かけて浦安まで戻るのも 大変ですしね。首都直下型ではないとわかっていたので、電車などが止まるくらいで、こ れ以上街がひどくなることはないこともわかっていましたし。
●家族と連絡がつき、各自その場で待機させた 家族とはメールでやりとりして無事を確認しました。市内の小学校に勤務していた妻は、 ディズニーランドからの帰宅困難者の対応をしていました。娘は都内にある大学の寮で、 やはり都内にいた息子には「家に帰らないで会社の近くにいろ」と伝え、彼はネットカフ ェだかに泊まりました。だから結局あの日は、我が家の家族全員が自宅には帰らず、その 場で待機することになりました。
その後、私は仕事をちょっと片付けて、夜の 8 時か 9 時くらいにコンビニに行きました。 ところがほとんど品切れでね、まあでも何かしら買って食べましたね。職場ではずっとテ レビで東北の状況を見ていましたから「これは大変だ。日本はどうなってしまうのか」と いう風に思っていました。東北にも知人がいっぱいいて心配でしたよ。でもその晩は、東北が津波で大変なことになってしまったのを呆然と見ているだけでした。