入船在住 60代男性 震災体験談(震災発生翌日〜現在)
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入船在住 60代男性 震災体験談(震災発生翌日〜現在)
PDF版
インタビューを書き起こした記録です。
コンテンツ番号 UT00000124
説明・要約
【震災発生翌日〜現在】
●震災からしばらくは自宅に戻らなかった 翌日も私は職場にいました。妻や子どもたちが交代で家の様子を見に行ってましたね。う ちは 3 階建ての低層住宅なので、特に部屋のなかも被害はありません。地面が液状化した だけ。ただ、自宅のライフラインがダメになっているのがわかったので、妻の実家がある 元町にしばらく身を寄せていました。上水は 3 日ぐらいで復旧したのかな、でも下水が 1 週間ほどダウンしたままでしたから避難しました。私は震災から 3 日か 4 日経った頃に初 めて自宅を見に行きました。
液状化の被害は相当なものでした。初めて見たときに呆然とするくらいにね。新浦安駅の まわりもだいぶひどかった。団地の敷地の泥かきなんかは、中学生のボランティアが頑張ってくれました。
会社でもそうでした。社内で浦安在住は私ともうひとりだけだったんです。「被災者なんだ」 と言っても信じてくれない。テレビじゃ浦安のことはまだ報道されていませんでしたから。
●●液状化はしたけれど あれから防災の意識が変わりましたね。会社でも災害対策のガイドラインを作成しました。 どこの会社もそうじゃないかな。無理に帰宅させないとか、数日分の食料を備蓄するとか、 災害時には通行者をビルに受け入れるとかね。我が家では昔から落ち合う場所を決めてい ます。妻の親の実家が北陸にあって、東京で壊滅的な災害が起きたら、とにかく北陸を目 指そうというルールをね。
阪神・淡路大震災の直後に仕事で現地を訪れたことがあるんです。神戸にも浦安みたいな 埋立地があって大変な液状化でしたよね。でもそこで気づいたことがあったんですよ。液 状化で地面がずぶずぶになってしまうけど、埋立地では地中深く鉄筋を打っているので倒 壊しない。基礎が浅い一戸建ても傾くけれど崩壊はしません。いたりするからね。だから 浦安で液状化したと聞いたときも、うちが倒壊してしまうという心配はしませんでしたね。