美浜在住 60代女性 震災体験談(震災当日の出来事)
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美浜在住 60代女性 震災体験談(震災当日の出来事)
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インタビューを書き起こした記録です。
コンテンツ番号 UT00000169
説明・要約
 ●「地震だ!」と叫び、老犬を抱えて外へ 発生当日、金曜日ですね。その日は家族三人と老犬とで、自宅にいました。夫と当時大学 生だった次男の三人ともに 2 階におりました。主人は寝室のパソコン前、次男は自分の部 屋で、私はクローゼットで冬物と春物の衣料の整理をしていたんですね。大きな揺れを感 じて、「地震だ!」と叫びながら階下に降りて、まずは庭へとつながるすべての出入り口を 開けました。家族全員が「地震だ!」と叫んでいました。これはいつもの地震とは違う、 と初めに感じて、もし家が潰れたら外に出られなくなるので、老犬を抱えて外へ出ました。
とにかく揺れが大きくてどこかに捕まろうと思って車を見たら、上下に跳ねていて。それで、これは本当に大きな地震だと思いました。もし家が倒れてきたら危険なので、道路に いるほうがまだ安全だろうと思い、家族三人とも道路に避難しました。
●数日前に発生した三陸沖の地震が予兆!? 2〜3 日前に友人と外で食事をして時なのですが、ちょうどその時に三陸沖ですか、東北で 大きな地震があって、ここもかなり揺れたんですね。それで、「これがもし予震なら、何日かあとに本当に大きな地震が来るんじゃないか」とたまたま話していたものですから、「来 たな!」と感じました。本当に大きな揺れでしたが、震源地が近いとは思わなかったんで す。と言いますのは、揺れの感じから、活断層型の地震ではなく、いわゆるプレート型の 地震ではないかと思いまして、「やはりあの時の地震は予震で、これが本当の地震、震源地 は東北の三陸沖辺りなのではないか」とお隣の奥様と話したのを覚えています。
●携帯も家電話はつながらない! 発生後しばらくして、夫と次男はカメラを持って記録写真と撮りながら、ご近所の安否確 認をして回りました。「助けて」という人がいらっしゃったらすぐに知らせるようにと二人 に言って、私は自宅に待機して新しい情報の入手をしたりしていました。同時にその間は、 別居している家族の安否確認もしました。最初はまったく電話が通じませんでした。携帯 も家電もどっちもまったくつながらないんです。私の実家は群馬なのでなんとか大丈夫か なと思っていましたが、当時、長女が結婚して港区に住んでいましたので、どうなってい るのかすごく心配で。携帯を握りしめながら、家電(いえでん)の前にいました。それか ら長男が千葉の習志野市におりまして、湾岸エリアで働いていることもあって、とても心 配していました。結局、それぞれメールでつながりまして、ようやく確認がとれました。 夜になって実家とも家電でつながりました。ただ、当時はこの後どうなるのかまったくわ からなかったものですから、とても不安でした。見回りをしている夫とも見回りする時間 を 5 分とか 10 分とかその都度決めて、その時間内に戻るようにしてもらいました。
●家族全員、服を着たまま就寝 そんな不安な状況のなか、この日の夜はどんな状況にも対応できるよう全員服を着たまま 寝ました。靴も枕元に置いて。以後、2〜3 日は服を着たまま寝ていました。