美浜在住 60代女性 震災体験談(震災発生翌日〜現在)
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美浜在住 60代女性 震災体験談(震災発生翌日〜現在)
PDF版
インタビューを書き起こした記録です。
コンテンツ番号 UT00000170
説明・要約
【震災発生翌日〜現在】
●掃除の邪魔だった備蓄品と夫に感謝 主人が災害対策の講習を受けていたこともあり、飲料水を始め食料など、かなりの量を備 蓄していたんですね。普段はこれが掃除をする時などとても邪魔でして、「あなた、いくつ 買ったら気が済むのよ」と、夫といつも喧嘩をしていました(笑)。ただ、後になって本当 に感謝しました。ご近所にお配りすることもできたんですね。しばらく後になると、今度 は赤ちゃんのミルクや飲料水などが不足している地域に、夫がそうしたものを段ボール箱 に詰めて送っていました。
●道ひとつ違うだけでまったく異なる被害の度合い 大きな地震が来るというのは、ある程度覚悟していましたので、「ああ、来たな」という感 じでしたが、やはりありがたかったのは家が潰れなかったことです。周りの家はほとんど が半壊だったんです。エリアによっては本当にすごかった。なかには大きく傾いて玄関の ドアが開かないという家もありました。新しく建てかえたお宅や、杭を新たに打ったりす るなどいろいろな対策を講じているお宅でも、半壊や大規模半壊という家がありました。
私たちの住む中町のエリアは液状化の影響がかなりありましたが、道ひとつ隔てただけで その影響度がまったく違ったんですね。ご近所のみなさんと後になってよく話したのです が、「揺れてみて初めて自分の家の地盤が弱かったとか強かったとかが、わかったわね」と いう感じでした。
家自体もそうですが、幸いにして家の中も特に何も被害がなかったんです。夫が災害対策 の講習を受けていたことがここでも役に立ちました。例えば、家具はできるだけ丈の低い ものに揃えたり、大きな家具には転倒防止用の固定具を取り付けてロックしたりしていま した。また腰から上の高さには重いものや壊れやすいものは置かないといった対策も講じ ていたんです。
●上下水ともに 1 カ月断水したが、風呂の水や備蓄水が役立つ 震災当日の夜には別居している家族全員と連絡がつきましたので、その後ひとまずは安心 しました。ただ、上下水道ともに止まってしまいまして、すぐにコンビニからスーパーか らどこも水が売り切れ状態になりました。小学校に給水車が来まして、長蛇の列ができて いました。上下水道いずれも 1 カ月ぐらい使うことができませんでした。特に始めの2~3 週間はお店で水を買えなくてみなさん大変なようでした。ただ、しばらくすると飲料水は 買うことができるようになり、給水車も来なくなりました。
一方、トイレとお風呂は不便ではありました。近くに仮設トイレが設置されはしたものの、公園など寂しい場所に設置されていたということもあり、夜などは使いづらいものがありました。ここでは流さずにとっておいたお風呂の水が役に立ちました。この水を使うこと ができたことで、随分助かりました。
上下水道もガスも止められた中で計画停電を体験したことは、忘れられません。