美浜在住 70代女性 震災体験談(震災当日の出来事)
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美浜在住 70代女性 震災体験談(震災当日の出来事)
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インタビューを書き起こした記録です。
コンテンツ番号 UT00000129
説明・要約
 ●ガーデニング中に被災 道路に亀裂が走る
自宅の庭でバラのアーチの手入れをしていました。たまたま近所の友人が通りかかったの で、立ち話をしようと道路に出たときです。激しい揺れに見舞われ、立っていることも座 っていることもできず、3 人で腹ばいになって揺れが収まるのを待っていました。そのとき は恐怖で何も言葉を発することができませんでした。
周囲を見渡すと、道路と家の間に大きなひびが入り、それを境に地面がずれるようにして 左右と上下に揺れていました。自宅の車庫に止めてあった自動車は、上下に激しく跳ね上がっています。上空では交差した 20 本の電線が、クモの巣を丸めたように団子状になって揺れていました。いつ電柱が倒れてきてもおかしくない状況で、それもとても恐ろしかっ たのを覚えています。
あのとき友人が通りかからなければ、私は脚立の上にいたままだったでしょう。足元はレンガを敷いた歩道になっていましたので、きっと転がり落ちてひどいことになっていたと思います。今考えると、ぞっとしますね。ほんのちょっとした時間の差で私は大丈夫だっ たわけですから、あれは奇跡としかいいようがありません。声をかけてくれたふたりの友人たちは命の恩人だと思っています。
●自宅の被害は少なかったが、ドアが傾いた
揺れが止まり、夫が家の中から出てきました。玄関先の庭に置いてあった置物などは皆壊 れてしまっています。そこで、家の中の様子がとても心配だったのですが、一緒に中へ入っていくとそれほどでもないのに驚きました。玄関に飾ってあった絵皿などは落ちて壊れ ていましたが、そのほか特に壊れているものはありません。
あれほどの激しい揺れだったのに対して、家の中の被害は不思議なほど小さかったように 思います。本棚も無事でしたし、割れたりしているものもありませんでした。ガラスの食 器棚は揺れている最中、夫が必死になって支えていたとのことです。中のものもすべて無事でした。
あえて被害があったと言うならば、ドアが多少傾いてしまったということでしょうか。私の友人は 5 qも離れていないところに住んでいるのですが、塀が将棋倒しのように崩れ落 ちてしまい、ドアも開閉できない状況になってしまいました。窓のサッシもずっと空いたままの状態だったと聞いています。結局、友人はその土地を更地にして引っ越していきました。
●多くの植木が液状化の被害を防いだ?
隣の家は液状化で大量の泥水が溢れ出したのにも関わらず、我が家はまったく被害がありませんでした。実は庭にびっしりと植木が植わっており、それが液状化に蓋をする役目を果たしたのではないかと思っています。のちになって植木屋さんとも話す機会があったの ですが、やはり同様のことを言っていました。
隣の玄関前には、水が引いたあと泥が堆積していました。それでスコップを持っていって、一緒に取り除いたりしました。たまたま我が家に被害はなかったけれども、ほんのちょっとした差でこんなにも状況が違うのだということをそのとき改めて実感しました。