東野在住 70代男性 震災体験談(震災発生翌日〜現在)
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東野在住 70代男性 震災体験談(震災発生翌日〜現在)
PDF版
インタビューを書き起こした記録です。
コンテンツ番号 UT00000144
説明・要約
【震災発生翌日〜現在】
●断水のため毎日水を汲みに
断水が 2、3 日続きました。撮影した自治会の掲示情報には「水の復旧予定日は 3 月 17 日」 と書いてありますね。でもこれはあくまで予定であって、実際はもっと長かったと思います。同時にどこへ行けば給水があるかといった情報も発信されていました。毎日更新されていたというわけではありませんが、常に新しい情報を把握すると、自治会スタッフがボ ードに張り出すという状況でした。
歩いて 10 分ほどのところに緑道があるのですが、そこへ毎日水を汲みに行っていました。 給水車も来ていたのですが、どこもかなり長い列ができていて、当初は約 1 時間待ちという状況でした。毎日のことですから、結構大変でしたね。
●液状化で溢れ出た泥を取り除く作業が毎日続く
私有地の被害は軽微でしたが、目の前の道路に側溝から土砂が溢れ出ました。2〜3日は、 泥の除去作業に苦労させられました。隣の家もまたその隣の家も皆、液状化にやられてい ましたから、皆で協力して取り組みました。泥といっても水を含んでいるのでとても重たく、これが本当に大変な作業でした。
家の目の前は2~3日でほぼ片付いたのですが、周囲の公共スペースや被害が大きかったお 宅の泥を取り除かなくてはなりません。どうにもならないほど液状化のひどい家は、放置しておくしか仕方がないような状況でした。3 月 19 日に、やっとボランティアの方たちが 大挙して駆けつけてくれ、本当に助かりました。
●人の身勝手さと同時にやさしさも知る
震災を機にさまざまな人間性が見えました。普段から近所づき合いがそれほど密でもあり ませんが、それでもいざというときは皆で協力し合って取り組もうという機運は高まりま した。。でも、なかにはまったく自分は関係ないという顔をして、一切作業には顔を見せない人もいました。皆で道路の泥を取り除いていると、家の中からインターフォンで「泥の袋を家の前には置かないでください」と怒鳴ってくる人さえいました。
一方、見ず知らずの人に、台所を開放する人もいました。毎日水汲みをしている様子を見かねて、自分にも何かできないかと思ったそうです。人のやさしさや温かさを感じることも多かったですね。
●毎日心おきなく楽しく生きることが大切
いつ大きな地震が起こるのかはわかりません。いざというときのために準備をしておくことは大切ですがどこにいて、どうなるのかはわかりません。毎日心おきなく、生きていくことが大切だと思います。
4 年前の震災と液状化の体験は、今後に活かしていかねばならないと思います。あのときどのように情報を収集して対応すべきだったのか……。例えば震災発生時、ディズニーランドの対応がとてもすばらしかったということは報道されているのですが、それがどのようによかったのか。そしてその後、どのような復興対応策が取られたのか。「夢の国」なのでイメージ戦略もあるでしょうから、市民ひとりひとりまでに詳細が伝わってこないのは仕方ありません。ですが、少なくとも行政との間では詳細な情報を共有して、いざというときのためにあの経験を活かしてほしいと願っています。