東野在住 70代女性 震災体験談(震災当日の出来事)
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東野在住 70代女性 震災体験談(震災当日の出来事)
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インタビューを書き起こした記録です。
コンテンツ番号 UT00000145
説明・要約
 ●新木場の駅で地震に見舞われる
地震が発生したのは、有楽町線で都内へ向かおうと新木場の駅で電車が発車するのを待っている最中でした。すでに電車の中にいたのですが、突然大きな揺れがきたのでびっくりし、夫とふたりでホームへ出ました。しばらくはその場で茫然と立ち尽くしていたように 記憶しています。
じっとしている最中、駅の看板など固定しているものまでがすごく揺れているのを目にしました。私たちがホームにいる間、ほかの電車が到着したのですが、ドアは閉まったままで中にいた人たちも中に閉じ込められたままの状態でした。脱線してしまうのではと思うくらい左右に大きく車体が揺れていて、中の人たち大丈夫なのだろうか……と、とても心配でした。
●駅が閉鎖され、駅前近くの公園に避難
しばらくして揺れが収まってから駅員さんの案内で、駅の外へと出ました。そのあと目の前にある夢の島公園に移動するように言われ、その場にいた何十人かの人たちと一緒にそちらへ移りました。あまりにも突然のことにパニック状態に陥っている人たちも多く、こんなときアメひとつでも少しは気分も晴れるだろうと、私は駅前のコンビニでアメを数袋買って、配って歩きました。それをきっかけにお話ができて、お互いに心が少し落ち着いたことが忘れられません。
公園にいる間、特にアナウンスや誘導はありませんでした。皆、しばらくするとそれぞれに行動を起こしていたように思います。私たちも暗くなってしまったら家に帰れなくなると思い、徒歩で家の方へ向かって歩き出しました。家に帰る途中、荒川に架かる大きな橋を2本渡らなくてはいけないのですが、風も強く、なんだかとても不安だったのを覚えています。あとで海や川の近くへは近づかないようにとの緊急速報が出されていたのを知り、何事もなかったからよかったものの、あの日のことを思うと今でも恐ろしくなってきます。
●約2時間近くかけて徒歩で家まで帰る
1〜2時間ほど歩いてやっと家にたどり着いたのですが、そのときあたりはもうかなり薄暗くなっていました。あれほどの大きな揺れだったので、家がどうなってしまったのか、とても心配でした。帰る道すがら、電柱が倒れたり、道路がうねったように盛り上がったり、陥没してしまったりしている様子も見ています。ディズニーランドの臨時駐車場はなぜだかわかりませんが、水浸しになっていました。
ところが予想していた不安とは裏腹に、家の中に被害はまったくありませんでした。我が家は棚の上に置いてあったこけしが倒れ、本棚から本が 2、3冊転げ落ちていた程度でした。ただ家の目の前の側溝から泥水が大量に流れ出たようで、駐車場の先までかなりの泥で覆われていました。これが以前から言われていた液状化というものなのだと、そのとき初めて理解しました。