明海在住 70代女性 震災体験談(震災当日の出来事)
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明海在住 70代女性 震災体験談(震災当日の出来事)
PDF版
インタビューを書き起こした記録です。
コンテンツ番号 UT00000149
説明・要約
 ●油絵の講座を受講中に被災
震災当日は、千葉みなとの県立美術館で油絵の講座を受けていました。そろそろ終わりという頃、突然グラっと揺れがきて、皆で外の芝生の上へと避難しました。しばらくしてから揺れが収まったのでまた教室へ戻ったのですが、さらに余震が続き、今日は解散ということになり、荷物をまとめて家に戻ることになりました。
大きなキャンバスを抱え、京葉線の駅にいったのですが、案の定電車は止まっていました。駅構内では駅員さんが「皆、外に出るように」と誘導しています。雨が降ってきたので、屋根のある駅の中で待たせてもらえないかと思ったのですが、頼んでも中へ入ることはできませんでした。駅から皆を外へ締め出してしまうなんて、今思ってもあれはちょっとひどかったと思います。
●とりあえずは駅前のホテルへ
いつになったら電車が動くのかもわかりません。雨の中でいつまでもたたずんでいるわけにもいきませんので、駅前にあるホテルへ行くことにしました。部屋はすべて満室という ことでしたが、ロビーで休んでいてもいいと言われ、同じ講座を受けていた浦安の方とふ たりでしばらく様子が落ち着くまでそこにいることにしました。
ところがいつまでたっても電車が動き出す様子はありませんし、時間が経過するにつれて 次から次へと人が入って来る状況です。たちまちロビーは人でいっぱいになってしまいま した。
線路の反対側に大きなホテルがあるので、そちらへ行ってみようということになりました。そこも満室でしたが、駅前のホテルほど人で溢れかえってはいません。ロビーを使ってくださいということで、簡易ベッドや毛布なども用意してくれました。
●ホテルのロビーで一晩を過ごす
今夜は家には帰れそうにもないと思い、ホテル内のコンビニエンスストアで飲み物やパンを買いました。寒くなるといけないと思い、カイロも買いました。私は夫とふたりで9階建てのマンションの3階に住んでいるのですが、ホテルから電話をかけると夫につながり、互いの無事を確認することができました。上階はかなり揺れて物 が壊れたりしたようですが、幸い我が家は無事だということです。家の中のことは心配しなくていいからということでしたので、ほっとひと安心しました。
今思うと、あのとき同じ絵画教室の男性が一緒にいなかったら、ひとりで本当に心細かったと思います。いろいろ情報収集をしてくれたり、私を誘導してくれたりして、本当に助かりました。