東野在住 80代男性 震災体験談(震災発生翌日〜現在)
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東野在住 80代男性 震災体験談(震災発生翌日〜現在)
PDF版
インタビューを書き起こした記録です。
コンテンツ番号 UT00000112
説明・要約
【震災発生翌日〜現在】
●敷地内には大量の泥が堆積した
翌朝からは敷地にたまった泥のかき出し作業です。年寄りだけでは大変だと、中学生の孫も手伝いに来てくれました。指定のごみ袋に泥を詰めて運ぶんですが、水を含んだ泥は重くて仕方ない。そこでキャリーカートをネットで「被災して泥を運ぶので早急にください」って注文したら翌日には届きましたよ。これには感激しましたよね。それで袋に泥を詰めては道に出してまた泥を詰めて……震災から2日間くらいは泥が出ていましたからね、ト ータルで4〜5トンの泥はあったと思いますよ。
●家を修理したが、いまだに地震で家が傾く
家の基礎部分に残っている泥の跡が高さ20cm弱ほどありますから、私の家は傾いただけじゃなくて、だいぶんだと思います。家の前の地割れが基礎の下にまで達していて、空洞があるんじゃないかと思いますね。これは不安ですよね。
震災からしばらくして市の調査がきまして、半壊の認定を受けました。補助金をもらって家の下にコンクリを流し込みましたが、そのコンクリの下だって地盤が緩いわけですから、工事の人には「お宅は豆腐の上に家が建っているようなものです」と言われたこともあります。
だから今でも地震があると家が動きますよ。地震のたびにゴルフボールを置くと転がる方向がかわり、ドアが勝手に開いたり開かなくなったりね。私たちの区画全体が同意しないと大規模な地盤改良ができないのがもどかしいですね。古くからの地域なので年配者にはお金の負担が大きいし、若い方たちとの話がまとまらないですよ。
都内で社宅住まいをしていて、終の棲家を求めて35年前に浦安に家を買いました。妻の弟が土木関係でね。「砂で埋め立てた土地だから買っちゃダメだ」と、買う前からずっと言われてました。詳しい人間の言うことを聞くもんですよね。