日の出在住 80代男性 震災体験談(震災発生翌日〜現在)
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日の出在住 80代男性 震災体験談(震災発生翌日〜現在)
PDF版
インタビューを書き起こした記録です。
コンテンツ番号 UT00000154
説明・要約
【震災発生翌日〜現在】
●今やほとんど記憶にあらず
震災翌日以降のことは、ほとんど記憶にありません。ある意味、地震というのは自然災害であって、起きてしまったら起きてしまったこと。もはやどんな状況になっても、仕方がないと割り切っていましたから。今さら思い出して、あれこれ言うつもりもありません。
確かに、思い起こしてみれば、家の周辺の道路はかなりの液状化にやられていました。気 が付くと我が家は断水状態で、トイレも使えなくなっていました。ガスはどうだったでしょうか……。普段からあまり使っていませんでしたので、ちょっと覚えていません。
周囲の人たちは食料品を買い求めてスーパーに殺到したり、水を求めて長蛇の列を作って 水汲みに行ったりしていたようですが、私には特に思い出せることがありません。私にとっては雨露をしのげる屋根さえあれば、あとはそれほど重要ではありませんでした。戦時中を思い出せば、浦安の被害なんてたいしたことはないのですから。
●東北で被災した高齢者たちのことがとても気にかかる 私たちのことはいいとしても、東北の人たちの苦労は思いやられました。直接、その地に 知り合いがいたりするわけではありませんが、それでも何とか力になれないものか……という気持ちでいっぱいでした。私がもう少し若くて、膝の故障もなくきちんと歩けるので あれば、おそらくボランティアでも何でもしに行っていたと思います。
あの地域にいる高齢者の方たちのことを思うと、本当に不憫でたまりませんでした。まだ3月でしたし、私が経験した以上に寒さが堪えたと思います。浦安は被災地とも言われていますが、なぜか私は自分の生活にはまったく興味がありませんでした。それよりも東北の被災地へ今すぐ飛んでいって助けたいという気持ちでいっぱいでした。
テレビのニュースなどで同じ年配の人たちが苦労している様子を見ると、自分の生活なんてどうでもよくなってきます。繰り返すようですが、自分の苦労について話すようなこと は一切ありません。
●災害はいつまた起こるかわからない
地震に遭ってみて思うのは、やはり普段から非常食と水は備えておいたほうがいいということです。と言いながらも実際に備蓄していないので何とも言えませんが、「災害は忘れた 頃にやってくる」と言いますからね。必要最低限の準備はしておく必要があるかと思います。
また、どこへ出かけるにしても、その日外で過ごすことになるかもしれないといったことを念頭に入れ、寒さに耐える対策もして出かけなくてはならないと思います。繰り返すようですが、いつどこで何が起こるかわかりません。それほどに、私にとって駅から締め出 されたことが忘れることのできない記憶となって今にいたっています。