浦安市立図書館


はじめてのアインシュタイン-没後70年によせて

  20世紀を代表する天才物理学者アルベルト・アインシュタインは、1879年、ドイツのユダヤ人家庭に生まれました。彼が科学に興味を持つきっかけとなったのは、5歳の時、父親にもらった方位磁石だったと言われています。どの向きに動かしても常に北を示す磁石の針に、幼いアインシュタインは宇宙の仕組みの不思議を感じ、感動したそうです。

  その後も、彼の科学への情熱は尽きることなく、大学卒業後、特許局で働きながら研究を続け、数々の論文を発表しました。その一つが、1905年に発表された特殊相対性理論です。この論文は、10年後に完成させた一般相対性理論とともに、当時の物理学界を驚かせ、人々の時間や空間に対する認識を覆しました。

  科学者として世界中から高く評価されたアインシュタインですが、その生き方や人柄も魅力的で、音楽を愛し、平和主義者として熱心に社会活動をしていたことでも知られています。また、東洋の文化に関心を持ち、1922年には日本を訪れ、各地で講演を行う傍ら、日本の芸術に触れたり、観光を楽しんだりしました。

  ユダヤ人として生まれたことで、ドイツからアメリカに亡命するなど、波乱万丈の人生を送ったアインシュタインは、1955年、76歳でその生涯を終えました。今年はアインシュタインの没後70年にあたります。今回の展示では、アインシュタインの歩んだ道とその業績を、相対性理論を中心に、物理に詳しくない方でも分かりやすい資料を使って紹介します。今まで、興味はあっても難しそうだからと諦めていた方にも、手に取っていただけたら幸いです。



 2025年5月 蔵書構成検討委員会 自然科学グループ


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