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昔話の扉をひらこう
小澤俊夫/著 暮しの手帖社 2022年
昔話には、子どもや若者が成長する姿を語るものが多くあります。さらに、身近な大人が肉声で語ることで子どもは愛されていることを実感し、それは、長い人生を支える土台となります。
昔話の語りには、3回の繰り返しなど世界中で共通する法則があります。本書では、それらを、具体的なお話を例に挙げながら解説しています。昔話の覚え方や紹介、語るためのお話集も付いています。子どもたちに昔話を届けたいという著者の願いが伝わってきます。

昔話絵本を考える
松岡享子/著 日本エディタースクール出版部 2002年
グリムの昔話「七わのからす」を基に、昔話を語りで聴いた時と絵本で読んだ時の違いについて考察しています。もともと耳で聴いて伝えられてきた昔話を、ことばだけを聞いてイメージすることと、それらを描いた絵を見るのとでは、感じ方や印象が違ってくることがあります。昔話を絵本にすることの難しさ、ことばだけで子どもたちに昔話を語ることの大切が語られています。

昔話は残酷か
野村泫/著
東京子ども図書館 1997年
グリムの昔話には「赤ずきん」の狼が腹に石を詰められたり、「白雪姫」の継母が炭火で熱した鉄の靴を履かされて踊り続けたりするなど、悪者が罰を与えられて、最後には死んでしまうという結末が多く存在します。これらの描写は、再話者によって意図的に書き換えられてしまうことがあります。残酷な描写は子どもに悪影響を与えるものなのか、文芸学・民俗学・心理学の立場から考察しています。