ベストセラーを分析する
『出版年鑑 資料・名簿編/目録・索引編』
出版年鑑編集部/編 出版ニュース社
前年に出版された新刊書籍、雑誌のほか、年間史、関係事項、諸統計、関係名簿、法規などを収録。出版関連の基本データが網羅され、雑誌『出版ニュース』の主要記事、1年間のベストセラーやブームも紹介。この1冊で、出版界の動きをさまざまな視点から把握することができる。目録・索引編もあり、電子書籍、オンデマンド出版、CD−ROMなどの各目録も掲載されている。
『ザ・エージェント』
鬼塚忠/著 ランダムハウス講談社
作家エージェントとは、良質のコンテンツを生む作家の「個の力」と、それを普及させる出版社の「組織力」を繋ぎベストセラーをつくる仕事である。聞き慣れない職種ではあるが、日本初の作家エージェント鬼塚忠は3年間で5万部を超えるベストセラーを12作生み出した。出版不況といわれる現代の日本でこれだけのベストセラーを生み出す作家エージェントの、ベストセラーの作り方・売り込み方が事例を通して明らかになる。
『ベストセラーの仕掛け人』
植田康夫 監修 アーク出版
バブルがはじけ不景気知らずと言われ続けた出版業界の伝説も、瞬く間に崩壊した。 ネットの普及、子どもたちの読書離れなど、人々の本へ求めるものが大きく変化していく現在、時代を読む編集者、タイトルセンス、専門書を簡単に読ませるテクニック・・・売れる本の法則を読み解いた者だけが仕掛け人となれるのである。そんな興味深い出版事情を見つめた対談と、年代ごとにヒットした本を分析した解説が収録された一冊。
『売れる本のつくりかた』
植田康夫/著 メディアパル
話題の本はどのような発想で企画され、ベストセラーになったのか。2000年から2005年にかけてのベストセラー、「さおだけ屋…」、「セカチュー」、「電車男」、「バカの壁」、「100人の村…」。誰もが一度は耳にしたことがあるだろう、印象的なタイトルの数々を1冊ずつ丁寧に紹介している。といっても単なる話題作の批評ではない。編集の当事者にも話を聞き、誕生から売れ行きまでを追いかけた、まさしく”売れる本”のレポートである。ヒットのきっかけや著者と編集者のやり取りなどから、ベストセラーの裏事情を知ることが出来る。
『ベストセラーの戦後史1・2』
井上ひさし/著 文藝春秋
昭和20年から52年までの毎年のベストセラーの中から1冊ずつを紹介するとともに当時の流行や物価等についても触れられている。。著者の解説でその時代の社会背景が語られているのだが、その見方が非常に興味深く面白い。今も昔もベストセラーはその時代に合った内容であり、1年でも出版年が違えばベストセラーにならなかったかもしれない本が多いことがわかる。
『ベストセラーの方程式』
井狩春男/著 筑摩書房
出版社と書店の狭間で奔走する取次書店のベテラン社員が語る、ベストセラー仕掛けの裏側。「読めない書名は売れない」「女性が買うとベストセラーになる訳」「ノルウエイの森は装丁がヒットの秘密」「TV報道番組に映る辞書は?」「ロックの本はCDの半額1500円まで」など、読めばなるほどの実践的ベストセラー論。中身が良くても、仕掛けがないために売れない状況を打破すべく、本作りから販売のコツまでを惜しみなく紹介している。著者のその後は、『本の虫 最新ベストセラーの方程式』弘文堂 に詳しい。
『編集者という病い』
見城徹/著 太田出版
出版・流通界に対する挑戦状とも取れる「闘争宣言」を掲げて幻冬舎を立ち上げた見城徹。大方の予想を裏切り、次々とベストセラーを輩出する躍進劇が展開されていった。彼がいかに著者と関わり、生きてきたのか、「病い」と表現される編集者の「業」とは。見城徹の現役編集者としての総決算とベストセラーをどうやって生むかのヒントが詰まっている。特に序章と第3章は必見!
『ベストセラーだけが本である』
永江朗/著 筑摩書房
刺激的なタイトルである。実際書店では、ベストセラーといわれる本ばかり目に付き、その他の出版物を入手するのは、案外難しかったりする。本書では、前半部で90年代と2001年のベストセラーの内容比較を行い、売れる本の特徴をあぶりだしている。後半は出版流通の問題点について、再販制や委託制などの解説とともに、書店や出版社の裏事情も含め、分かりやすく説いている。そして、著者の本当の主張は、第4章の章題の通り、「ベストセラーだけが本じゃない」である。
『ベストセラーの作り方』
ベストセラー研究会/編 生活情報センター発行
売れた書籍・話題になった書籍を、編集者サイド・著者サイドの両方から検証する。直接の会話からヒントを得る、自分自身や、この人だと思った著者の感性を信じる、自分の家に置いておきたいと思わせる装丁にする等、示唆される事柄は多い。