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『思い出のマーニー』上・下
ジョーン・ロビンソン/作 松野正子/訳 岩波書店 2003年
ISBN:4-00-112091-7
療養のために、イギリスの小さな村に暮らす老夫婦に預けられた少女アンナは、入り江近くの不思議な館に住む同い年の少女マーニーと出会います。しかし、マーニーはアンナの前にだけ姿を現し、マーニーのことを知る人は誰もいません。 この不思議な少女とアンナは心の秘密を打ち明けあううちに友情を深め、家族を失ったアンナの抱える孤独や傷ついた心は少しずつ癒されていくのでした。
『夏の庭―The Friends―』
湯本香樹実/作 徳間書店 2001年
ISBN:4-19-861359-1
子どもの頃、「死」について考え、疑問に思ったり、不安になったりした経験は誰しもあるのではないでしょうか。小学6年生の木山・山下・河辺のサッカー仲間3人組は、人の死に興味を持ち、もうじき死にそうだという噂のおじいさんの観察を始めます。変わり者のおじいさんに迷惑がられ、怒鳴られても懲りない彼らですが、老人との交流は、いつしか不思議な友情へと変わっていきます。少年たちの心の成長を描いた、ひと夏の物語です。
『西の魔女が死んだ』(梨木香歩作品集)
梨木香歩/著 新潮社 2017年
ISBN:978-4-10-429911-9
学校へ行けなくなった中学生のまいは、田舎に住む大好きな祖母の家で暮らすことになりました。自分たちの家系は、魔女の素質があると話す祖母の言葉から、魔女になるための修行を始めるうち、自分自身や家族のことを見つめ直し、成長していきます。しかし、ある出来事をきっかけに祖母と気まずくなり、仲直りする事も出来ないまま、家族で引っ越す事になってしまいました。人生において本当に大切なことは何かを丁寧に描いた、幅広い年齢層で読まれている作品です。
『はてしない物語』
ミヒャエル・エンデ/作 上田真而子 佐藤真理子訳
岩波書店 1982年
ISBN:4-00-110981-6
雨の中、古本屋さんから盗んだ本を読んでいた少年バスチアン。「はてしない物語」と書かれたその本は、「虚無」に侵食されつつあるファンタージエン国を救おうとする少年アトレーユの物語でした。夢中で本を読み進むうちに、現実世界と物語が交錯し始め、やがてバスチアン自身が本の世界へ行きたいと願うようになります。 現代の人々が生きていく中で忘れてしまった「大切なもの」を取り戻すために、少年達が繰り広げる壮大な冒険譚です。
『ピノッキオの冒険』
コッローディ/作 杉浦明平/訳 岩波書店 2000年
ISBN:4-00-114077-2
大工の親方から言葉を話す木切れをもらったジェッペットじいさんは、その木であやつり人形を作り、ピノッキオと名付けました。ジェッペットじいさんはわが子のように可愛がりますが、ピノッキオは気紛れないたずらっ子で、誰の言うことも聞かず、追い剥ぎに襲われたり、ロバに変えられたり、散々な目に遭います。 当初イタリアの子ども向け新聞に短編として書かれた作品でしたが、子どもたちの圧倒的な人気から連載になり、さらには一冊の本になりました。本編後、訳者のあとがきを読んで振り返ると冒険の中に違った景色が見えるかも。
『魔法使いハウルと火の悪魔』
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/作 西村醇子/訳 徳間書店 2001年
ISBN:4-19-860709-5
魔法が存在するインガリー国で三人姉妹の長女に生まれたソフィーは、あることで荒地の魔女の怒りをかい、老婆にされてしまいます。自分の運命を切り開くため、悪名高い魔法使いハウルが住む城で掃除婦として働くことになり、そこで火の悪魔カルシファーから、呪いを解く代わりにある取引を持ちかけられます。やがてハウルの意外な素顔を知ったソフィーは次第に惹かれていき、二人は力を合わせて魔女と戦うことになります。自尊心の低かったソフィーが成長する姿は、悩んでいる人に勇気を与えてくれます。
『ライオンと魔女』
C.S.ルイス/作 瀬田貞二/訳 岩波書店 2005年
ISBN:4-00-116371-3
第二次世界大戦時、ピーター、スーザン、エドマンド、ルーシィの4人きょうだいは、空襲を避けてロンドンから田舎にある大きな屋敷に疎開しました。ある日、4人は誰も使っていない部屋にある古い衣装だんすを見つけます。ルーシィが中に入ってみると、その奥は恐ろしい魔女が支配する国、ナルニアにつながっていました。4人のきょうだいは、魔女からフォーンや動物たちを救い、美しいナルニアを取り戻すため、偉大なライオンのアスランとともに戦います。
『若草物語』上・下
ルイザ・メイ・オルコット/作 海都洋子/訳 岩波書店 2013年
ISBN:978-4-00-114218-1
家庭的で美しい長女のメグ、自由で行動力のある次女のジョー、優しくて体の弱い三女のべス、明るくおませな末っ子のエイミー。この四姉妹のお話は、たとえ読んだことがなくても題名だけは聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。何度も翻訳を変え、映像化され、愛され続けているこの物語は、1868年に初めて出版されました。貧しくても日々を楽しみ、自分たちの将来に悩み、それぞれの生き方を模索していく少女たちの姿は、今なお色褪せることがありません。一度読み始めたら、この本の持つ素朴で変わらない魅力に誰もが惹きつけられるでしょう。