略歴・デビュー作
1926
3月31日、福井県武生市に生まれる。本名、中島哲(さとし)。
1934
東京都板橋区に住む。
『加古里子 絵本への道』
加古里子 福音館書店 1999
3年にわたるインタビューを元に、福音館書店編集部が構成した加古の初めての絵本論。紙芝居の制作から始まった絵本作家としての足跡が、自身の子ども観をベースに語られており、作家活動の原点を窺うことができる。加古が今もなお追求してやまない、子どもの本の楽しさや面白さについての考察は、作家として、また一人の大人として、子どもたちと真剣に向き合ってきた加古ならではのものである。その作品が子どもたちに愛されてきたのはなぜか。この一冊で納得できる。
1946
終戦後、東京大学工学部応用化学科入学。
「演劇研究会」に所属し、自作・演出の童話劇の上演を経験。
1948
昭和電工中央研究所に入社。
劇団「プーク」で人形劇を学びながら、紙芝居の制作を始める。
1950
東京都品川区大井町にて、セツルメント*活動を始め、子供会で紙芝居や幻灯を制作・上演。
1951
勤務先の近く、川崎のセツルメントに活動場所を移し、紙芝居などの制作を続ける。
1957
「教育紙芝居研究会」(1950年発足、童心社の前身)の機関誌『紙芝居』の編集・印刷責任者となる。(1957年10月号〜1959年6月号(終刊))
1959
初めての科学絵本『だむのおじさんたち』(福音館書店)出版。
1962
土壌改良剤の研究により、工学博士学位記受理。
1966
技術士(化学)資格取得。
1970
『かこさとし・かがくの本』、第17回産経児童出版文化賞受賞。
児童福祉文化賞奨励賞受賞。(1971・1973年にも同賞)
1973
昭和電工を定年前に退社。作家活動に専念する。
1975
『遊びの四季』、第23回日本エッセイストクラブ賞、久留島武彦文化賞受賞。
1991
『ピラミッド その歴史と科学』、第11回吉村証子記念日本科学読物賞受賞。
1999
インタビューをまとめた 『加古里子 絵本への道』(福音館書店)出版。
*セツルメント
都市の貧困地区に、宿泊所、託児所などの設備を設け、住民の生活向上のための助力をする社会事業およびその施設。金品を供与して貧民救済をするのではなく、人格的接触を通して人々の自覚をうながしていこうとする運動。(『加古里子 絵本への道』より引用)
都市の貧困地区に、宿泊所、託児所などの設備を設け、住民の生活向上のための助力をする社会事業およびその施設。金品を供与して貧民救済をするのではなく、人格的接触を通して人々の自覚をうながしていこうとする運動。(『加古里子 絵本への道』より引用)