未来の地球〜先人たちの提言〜
『冷えていく地球』
根本順吉/著 角川書店 1981年
1963年の世界的異常気象を契機に、気象庁では異常気象に関する調査が始められた。本書は当時、気象予報官であった著者により、1940年〜70年代の気温下降期、氷河期再来の議論をふまえて書かれたもの。1980年代初めに、以後の20年間は低温化の影響が現れると予想し、世界の食糧問題に及ぶ影響を冷静に捉えている。本書が出版された80年代以降、冷えていた地球は温暖化に向かう。
『「2℃の違い」を知る絵本』
佐伯平二/著 おおの麻里/イラスト 青春出版社社 2008年
地球の平均気温が2℃上昇すると、人間が生活するために必要な環境が壊滅的な打撃を受けると言われている。本書は、気温が2℃違うだけでどんなことが起こるのかを、平易な文章に豊富なイラストを交えて説明している。私たちの暮らしから、自然界、地球規模の異変まで、たったの2℃でも世界は大きく変わる。
『地球温暖化に挑む』
NHK「未来への提言」取材班/編 日本放送出版協会 2008年
本書は、地球温暖化をめぐる課題について、その改善に取り組む世界のキーパーソンとの対談をまとめたものである。地球温暖化、低炭素社会、中国の環境汚染の3つのテーマを、それぞれ科学者、経済学者、法律家にインタビューし解決策を探っていく。インタビュアーの1人は宇宙飛行士の毛利衛。各テーマとも注釈が付されていてわかりやすい。
『地球温暖化問題は解決できるか』
石見徹/著 岩波書店 2009年
温暖化問題の解決に、エネルギーの消費、供給、国内外の政治という視点からアプローチした一冊。経済成長と温暖化防止の両立の難しさを認めつつ、解決の糸口がないかを探る。温暖化対策には、貧困、各国利害の対立など様々な壁が立ちふさがっており、非常な覚悟を要する難事業であることがわかる。私たちが地球規模での連帯感を持てるかどうかが、重要な鍵となる。
『地球温暖化を考える』
宇沢弘文/著 岩波書店 1995年
今、地球環境には大きな変化が生じている。本書では、その最たる現象である地球温暖化について、脅威や影響を述べる。炭素税の考え方にも触れるなど、経済学者の視点からの記述も興味深い。小中高生にも読んでもらいたい、地球温暖化の入門書である。
『異常気象 多発する裏に何があるのか』
村山貢司/著 ベストセラーズ 1999年
著者は、NHKへの出演などで知られる気象予報士である。そもそも異常気象とは何か、またその原因などを平易に解説。続いて、日本と地球の今後について語る。温暖化の原因である二酸化炭素をこれ以上増加させないこと、そのために日本人一人一人が何をすべきかを提案している。私たちができることは多く、その一歩を踏み出すきっかけを、この本で得てほしい。