観光で復興
「観光」という言葉は、『易経』(周易上経(20)觀)*の「觀二國之光一。利三用賓二于王一。」(國の光を觀(み)る。用(もつ)て王に賓(ひん)たるに利(よろ)し。)を起源とするものとされています。
日本で楽しむことを目的とする旅行が、庶民にとって一般的になったのは、戦後の高度成長期以降です。近年は観光が国の主要な政策の一つとして考えられるようになってきました。
政府による観光施策は、この数年間だけでも以下のように拡充してきました。平成15年「観光立国」を宣言、同年「日本政府観光局」を設置、平成18年「観光立国推進基本法」制定、平成19年「観光立国推進基本計画」策定、平成20年「観光庁」設立。これらの施策は、国内居住者による日本国内旅行の推奨拡大はもとより、海外旅行者の増加、そして外国からの来日観光客の飛躍的な増大を目指したものとなっています。
また東日本大震災以降、被災地域の再生と復興との関係において、改めて観光が注目されています。
観光庁は、「Genki-navi」日本の元気再生プロジェクトや「がんばろう!日本」国内旅行振興キャンペーンによって、東日本大震災以降冷え込んだ国内旅行需要を喚起し、地域の経済活性化、交流拡大による日本の魅力の再発見を目指しています。
東北地方6県では、大きく落ち込んでいる東北地方への旅行需要を喚起し、地域が主体となった新たな観光スタイルを構築することを目的として「東北観光博」が開催されています。
千葉県においては、「がんばろう!千葉」キャンペーンの一環として、「ちばめぐり隊」「ちば盛り上げ隊」に参加し、千葉県内の観光地を訪れ楽しんでもらうことによって、地域を元気にしようと呼びかけています。
浦安市でも、浦安商工会議所の作成したグルメガイド『もっとうらやす』配布や浦安観光コンベンション協会が企画した「浦安バル街」の開催など、地域の良さを改めて見直す取り組みが行われています。
このような様々な機会に観光を楽しんでいただき、訪れる人と迎える人の力によってより良い地域が作られていくよう願っています。
*『易経』は『新釈漢文大系 易経 上』(明治書院)P.445〜による。