浦安市立図書館

学園★青春

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きみの友だち

重松清/著 新潮文庫 2008年

交通事故に遭ったのはみんなのせいだ、とクラスメイトを恨み友だちをなくした和泉恵美は、病弱で入退院を繰り返す由香以外のクラスの「みんな」とは距離を置いている。八方美人がゆえに友だちから爪弾きにされた芳美、勉強もスポーツも何でもできる転入生に焦る人気者の文孝、親友が彼氏を優先させることにいら立つハナ…。「友だちとは何か」に悩む彼らに恵美や由香が投げかける言葉が、それぞれを成長させていく。(初出2005年)

画像:ネバーランド

ネバーランド

恩田陸/著 集英社文庫 2003年

伝統ある男子校の寮「松籟館」。冬休み、寮に残ることにした美国・寛司・光浩は、自宅から寮に頻繁にやって来る普段は陽気な統から、母親の死に関する秘密を聞かされる。驚く美国たちだったが、毎夜行う「告白ゲーム」により、4人ともが恵まれない家族環境での葛藤やトラウマを抱えていたことを知る。少年たちは何にもがいているのか。自由できらきらして、それでいて少し切ない青春時代を感じさせる物語。(初出2000年)

画像:温室デイズ

温室デイズ

瀬尾まいこ/著 角川文庫 2009年

毎日壮絶ないじめを受けながら教室に行くことを止めない「みちる」と、そんな友達の姿に耐えられず、教室に行くことを止めた「優子」。ふたりの視点で中学校卒業までの日々が語られる。温室とは程遠い崩壊した学校で、少女たちを支える大人は存在しない。元通りになる日はやって来るのか。
 出版当時、実際に中学校の教師であった著者が描く物語は、強烈なリアリティを感じさせる。(初出2006年)

画像:ぼくは勉強ができない

ぼくは勉強ができない

山田詠美/著 文藝春秋(文庫) 2015年

勉強ができても、モテなければ虚しい気がする。17歳の男子高校生・時田秀美はそう思っている。年上の彼女とつきあい、納得がいかなければ先生とも渡り合う。家族は理解があるけれど、学校の居心地はなんだか悪い。悩みながら焦りながら自分の価値基準を作って行こうと決意する彼の姿は、青春小説界(?)に衝撃を与えた。
刊行20年以上を誇るロングセラー。その後の秀美には『A2Z』『賢者の愛』で会える。(初出1993年:新潮社)

画像:少女は卒業しない

少女は卒業しない

朝井リョウ/著 集英社文庫 2015年

卒業ライブの控え室から、ボーカルの森崎率いるヴィジュアル系バンドの衣装とメイク道具がなくなった。出番が迫る中、なんと音源のCD-Rまで消えてしまう。「せめて音源だけでも探そうよ!」と、なぜか本人たち以上に焦る軽音楽部の元部長・杏子にはある理由があった(「四拍子をもう一度」)。取り壊し目前の地方の高校を舞台に、少女たちの視点で卒業式前夜から卒業式翌日の出来事が描かれる連作短編集。(初出2012年)

画像:よろこびの歌

よろこびの歌

宮下奈都/著 実業之日本社文庫 2012年

新設の女子校。そこに通う少女たちは、みなキラキラと青春を謳歌しているように見える。しかし本当は、それぞれが挫折を味わいながら学校生活を送っていた。音大付属高に落ちた玲、自転車通学を続ける裕福ではない千夏、肩を壊してソフトボールが続けられなくなった早希…。そんな中、合唱コンクールでは失敗に終わった歌を、卒業式で再度披露することになる。歌うとはどういうことなのか。本番当日までの彼女たちの成長と葛藤を瑞々しく描く。(初出2009年)

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