『赤死病』
ジャック・ロンドン/著 新樹社 2010年
冒頭に登場するのは、過去を懐かしむ老人とそれを理解できない少年たち。世代間ギャップの原因は、約60年前に猛威を振るった「赤死病」でした。この「赤死病」禍をくぐり抜けた老人が、ウイルスに翻弄される人々の姿を少年たちに語り聞かせます。
「はかなきもの、あわのごとくついえ去り」。1912年に雑誌に掲載された本作は、これまで築き上げてきた文明が目に見えないウイルスにより破壊される様を、100年後である2013年の出来事として、予言のごとく描きます。