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『宮澤賢治 星の図誌』
斎藤文一/著 藤井旭/写真 平凡社 1988年
宮沢賢治は美しい星たちから『銀河鉄道の夜』、『よだかの星』など多くの作品を生み出しました。本書は「宮沢賢治が見たのと同じような星空を見たい」という思いから、宇宙物理学者であり宮沢賢治研究家でもある斎藤文一氏と、天体写真家の藤井旭氏によって書かれた本です。賢治の星空の再現を目指して、実際に岩手で撮影されたものもあり、カラー天体写真は美しく、何度も見返したくなる一冊です。
『天文学者が解説する宮沢賢治『銀河鉄道の夜』と宇宙の旅』
谷口義明/著 光文社 2020年
宮沢賢治の代表的作品としてよく知られている『銀河鉄道の夜』を、銀河天文学と観測宇宙論を専門とする天文学者である著者が、ストーリーを追いながら宇宙がイメージされる言葉を取り上げて、詳しく説明していきます。作品に登場する天の川、銀河ステーション、南十字などを現代における天文学的事象になぞらえて解説していますが、大正時代を生きた賢治が現代にかなり近い宇宙観を持っていたことと、その博学さに驚かされます。
『宮沢賢治 農民の地学者』
宮城一男/著 築地書館 1989年
宮沢賢治の作品には、鉱物や地質現象など地学用語がたくさん使われています。岩石鉱物学者の著者は、 専門家の視点で作品をわかりやすく解説しながら、地学者としての賢治を浮き彫りにしていきます。 盛岡高等農林学校研究科時代の土性調査や、花巻農学校の教師として行った地学実習などのエピソードも紹介され、 賢治の地学知識の学術的な確かさだけでなく、大地への愛情や作品世界の豊かさを知ることができる好著です。
『宮沢賢治と学ぶ宇宙と地球の科学 5 気象と海洋』
柴山元彦/編 和田充弘/著 創元社 2021年
宮沢賢治は博学かつ想像力豊かな作家であり、地学教師でもありました。本書は、その知識や経験から 生み出された『風野又三郎』(童話『風の又三郎』の元になった作品)や『グスコーブドリの伝記』、『春と修羅』、 『水仙月の四日』等に描かれている、大気、雲・雨・雪、気候、海洋、気象災害について、やさしく解説しています。 巻末には賢治と地学の関わりについての年表もあります。カラー写真・図版も豊富で、地学の勉強にもなるシリーズです。