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『宮澤賢治イーハトヴ学事典』
天沢退二郎/他編 弘文堂 2010年
この事典は、宮沢賢治研究で知られる詩人・天沢退二郎らを編集委員に、文学、科学史など様々な領域の専門家が 執筆に参加して編まれたものです。巻頭にある179のテーマからなる項目分類目次からは、宮沢賢治の築いた理想郷 「イーハトヴ」の世界観を俯瞰できます。本編には項目解説だけでなく、松本零士の「宮沢賢治と宇宙」や椎名誠の 「はじまりは風」など40以上のコラムも収められ、読み物としても楽しめる一冊です。
『宮沢賢治キーワード図鑑 賢治の哲学の入り口になる69のキーワード』
平凡社 1996年
宮沢賢治作品にあるキーワードを69個集め、イメージに合う色彩の写真などを用いてビジュアル的に表現したもので、 初心者が気軽に賢治の持つ独創的な雰囲気を味わうことができます。キーワードには、荒俣宏の「ブルカニロ博士」、 毛利衛の「青」、細野晴臣の「音楽」、池内紀の「ユーモア」、永六輔の「雨ニモマケズ」など、錚々たる著名人や 専門家が熱い文章を寄せており、じっくり読んでその世界に浸ることもできる一冊です。
『宮沢賢治 祈りのことば 悲しみから這い上がる希望の力』
石寒太/著 実業之日本社 2011年
東日本大震災で被災された人々のために、四月初旬、パリのチャリティーコンサートで賢治の詩が朗読されました。 この動画が香港、アメリカへ伝わり世界中で感動を呼びました。本書は、俳人である著者が、賢治作品の中から、 生きる希望が湧いてくる珠玉のことばを選んで、要約と解説を添えたものです。天災と凶作と苦難の時代に生きた賢治が、 「ほんたうの幸せ」を願って遺したことばは、今を生きる私たちへの「祈り」となっています。
『イーハトーブと満洲国 宮沢賢治と石原莞爾が描いた理想郷』
宮下隆二/著 PHP研究所 2007年
純真無垢に生きた童話作家、宮沢賢治。日本を軍事国家に導き、満州事変の首謀者として日本ファシズムの旗頭と なった石原莞爾。一見両極端に見えますが、実は二人とも田中智学に傾倒する熱心な法華経信者でした。本書では、 混迷する昭和動乱期において同じ宗教的理想を根底に持った異質な二人が、お互いの「ユートピア」にいかなる 社会変革を夢見たのか、彼らにあって「今の日本人」が失ったものは何なのかにスポットを当てます。