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『植物記』
埴沙萠/著 福音館書店 1993年
植物生態を撮り続けた写真家である著者が、郷里である大分県で撮影した写真集。春夏秋冬、1年の自然の移り変わりの中で、植物の動く瞬間を捉えた連続写真は見入ってしまいます。芽ばえ、のびるツル、キノコの胞子飛ばし…。植物の生長のひとコマひとコマはまさに「植物記」。植物といるとなぜか楽しくなってしまうという著者の気持ちに触れられる、その美しさと楽しさを感じられる1冊です。
『面白くて眠れなくなる植物学』
稲垣栄洋/著 PHPエディターズ・グループ 2016年
秋になるとなぜ木々が紅葉するのか、疑問に思ったことはありませんか? 実は低温になると葉の中の葉緑素が壊れていき、葉に貯まっていたアントシアニンの赤い色素が目立ってくるためなのだそうです。このほかにも「竹は木か草か」「カイワレ大根が育つとどうなる?」など、全部で36種類のアッと驚く植物の雑学のオンパレードで、読み進める手が止まりません!
『植物はなぜ薬を作るのか』
斉藤和季/著 文藝春秋 2017年
動けない植物は、捕食や病原菌などの生物学的ストレスから身を守るために、有毒や抗菌といった特異的な活性のある化学成分を作りだし、人間はその成分を薬として利用しています。医薬は紀元前メソポタミアの時代には既に使われていたとか。本書では、鎮痛、甘味、抗酸化といった効能を持つ植物の紹介と、植物が進化の過程でどのように薬効成分を作るようになったのかが分かりやすく紹介されています。
『となりの地衣類 地味で身近なふしぎの菌類ウォッチング』
盛口満/著 八坂書房 2017年
「地衣類」とは、光合成をする藻類と共生する菌類のことです。見た目はコケに似ており、実は気をつけて見ると、木の幹や石の上に貼りついているものや木の枝状になっているものなど、自然の中のそこかしこにあります。地衣類の魅力にとりつかれた著者が生態観察のために国内各地へ赴き、その多様性に驚いている様子が伝わってきます。そのうち日本では飽き足らず、とうとうハワイやフィンランドにまで足を延ばします。
『雑草はなぜそこに生えているのか 弱さからの戦略』
稲垣栄洋/著 筑摩書房 2018年
しぶとくどこにでも生えてくるイメージがある雑草ですが、実は競争に弱く、そのため他の強い植物が生えない場所を選んで生えています。そして、「種子が落ちても発芽に適した時期が来るまで芽を出さない」「環境によって伸び方やサイズを変化させる」など長く世代を繋ぐために様々な工夫をしています。本書はそんな雑草の生き残り戦略を紹介する一方、その雑草を防除する方法も掲載されています。
『定本 柳宗民の雑草ノオト(春、夏、秋)』
柳宗民/著 毎日新聞出版 2019年
2006年に亡くなられた高名な園芸研究家による、雑草を季節ごとにまとめたエッセイ集。単なる解説ではなく、農業試験場などの職場、草むしりや散歩、さまざまな場面で出会う「雑草」たちへの雑感を通して、著者の幅広い見識が垣間見られます。観賞用に園芸植物として育てられている同族種なども紹介され、野草それぞれに関する知識の幅も広がります。2002年及び2004年刊行の2冊を、自然に近い色彩に色調補正・再編集して復刊。
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