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『シーボルトと宇田川榕菴 江戸蘭学交遊記』
高橋輝和/著 平凡社 2002年
江戸時代、植物学に関心のあった津山藩医・宇田川榕菴は、参府したオランダ商館医のシーボルトと出会い、二人の間には交遊が生まれます。書簡や書物などのやりとりを通して西洋の最新知識を手に入れた榕菴は、のちにドイツ語の植物学資料の翻訳、「元素」「酸素」など今でも使われる科学用語の発案、蘭学ハンドブックの刊行など、当時の自然科学の発展に寄与することに…。日本科学史に功績を残した一蘭学者を再評価する1冊です。
『牧野植物図鑑の謎』
俵浩三/著 平凡社 1999年
大正14年に1日違いで出版された、牧野富太郎の『日本植物図鑑』と村越三千男の『大植物図鑑』。どちらにも互いを意識したような序文が書かれていました。村越とは何者なのか? なぜ『日本植物図鑑』は牧野の伝記ではほとんど触れられないのか? 後に出版した『牧野日本植物図鑑』に書かれている謎の警告の意図とは? 疑問に思った著者が2冊の出版競争の経緯や近代日本における植物図鑑隆盛の背景などを探ります。
『プラントハンター西畠清順 人の心に植物を植える』
NHK取材班/編 小学館クリエイティブ 2015年
きっかけはスペインで樹齢千年を超えるオリーブの古木に出会ったことだという西畠。南米の巨木パラボラッチョ、オーストラリアのボトルツリーなど、世界中を飛び回って手に入れたメッセージ性の高い植物を使って、百貨店などのイベント、植物園のリニューアル、商業施設や街づくりの景観設計などを手掛けています。人が植物に関心を深めることを重視する彼の、仕事へのひたむきさが強く感じられます。