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絵本とは何か
松居直/著 日本エディタースクール出版社 1986年
この本は、松居が絵本の編集や研究の中で考えていた、よい絵本とは何か、そして子どもに絵本を読むとはどういうことなのかを、実際のエピソードを交えて分かりやすく私たちに教えてくれます。そして現在も続く月刊絵本『こどものとも』創刊当時の試行錯誤の様子を知ることもできる貴重な一冊です。
全体を通して感じられるのは、松居の子どもの感性に対する絶対的な信頼です。絵本選びに悩んだことがある方におすすめします。
ももたろう
松居直/文 赤羽末吉/画 福音館書店 1965年
桃から生まれたももたろうは、おじいさんおばあさんに大切に育てられ、力持ちで賢い子になりました。悪い鬼が人々の米や塩を盗み、お姫様を連れて行ったことを聞いて、おじいさんとおばあさんに鬼退治に行くことを告げます。
この作品は、全国の「ももたろう」を読み比べ、感情豊かに表現された、青森県五戸の昔話集『手っきり姉さま』(能田多代子/編 未來社)から再話されました。赤羽末吉の工夫を凝らした絵も秀逸です。
だいくとおにろく
松居直/再話 赤羽末吉/画 福音館書店 1967年
橋架けを頼まれた大工が川の前で考えていると鬼が現れ、取引を持ち掛けます。橋を架ける代わりに鬼の名前をあてるか、自分の目玉を差し出すか。偶然知り得た名を叫ぶと、鬼は悔しそうに消えてしまいました。
松居が子どもたちに何度も読んでいた日本民話を、絵本にしたいという思いで再話しました。横長の場面を生かすため絵巻物の技法を取り入れ、大和絵と墨絵の手法であるカラーと白黒を交互にした構成は、物語を効果的に演出しています。