人が誰かに考えや想いを伝えようとするとき、「文章」は重要なツールのひとつです。
 人類史上、初めて文字が誕生して以来、人は、言葉を書いて送り、情報を共有し、記録に残すなど、様々な場面で文章を使い、人と繋がろうとしてきました。
 現代社会では、活字離れ、読書離れが進んでいると言われていますが、コミュニケーション・ツールとしての文章の価値は決して変わるものではありません。むしろ、インターネットやSNSの普及にともない、文章の影響力やその作法が変わりつつあることから、これまで以上に文章の力が注目されています。
 そこで今回の展示では、コミュニケーション・ツールとしての「文章」に焦点を当てました。
 多くの作家が残した「文章読本」や、文章作法に関する資料を紹介し、その変遷をたどります。また、作家の手紙にみる文章や、メール、SNSなど現代社会で必要となる文章に関する資料も集めました。
 今回の展示が、現代に生きるみなさんにとって、欠かせないスキルともいえる文章力を身につける第一歩になればと願っています。
令和6年3月 蔵書構成検討委員会 語学・文学分野