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『切手でたどる郵便創業150年の歴史 Vol.1戦前編』
内藤陽介/著 日本郵趣出版 2021年
明治4年、日本最初の切手である「龍文切手」が発行され
ました。その後まもなく西洋式の印刷技術が導入され、
掲載された切手の写真からは、文明開化の目覚ましさや
戦争へ向かっていく世相が伝わってきます。切手を切り
離しやすいように開けられた「目打」という穴についての
説明など、切手の世界の奥深さに触れられます。
切手と郵便の歴史を辿るシリーズ(全3巻)の1巻目。
全ページに豊富なカラー写真資料が掲載されています。

『年賀状のおはなし』
日本郵便株式会社/監修 ゴマブックス 2019年
古来から新年を祝い、挨拶を交わす習慣があった日本。
明治時代に葉書が登場すると、印刷技術の向上により彩色豊かで
趣向を凝らしたデザインが次々に生まれ、年賀状文化が
花開きました。絵柄の流行や、お年玉くじ付き年賀状の登場
など、魅力あふれる年賀状が多数紹介され、見るものを
楽しませます。現在はデジタルで瞬時に挨拶を送れる時代
ですが、大切な人に気持ちを届ける文化を後世につなげたい
という心が伝わります。

『ハプスブルク帝国の情報メディア革命』
菊池良生/著 集英社 2008年
16世紀、ハプスブルク家の皇帝マクシミリアン一世は、
遠方から戦地の状況を知るための情報網を求め、
利用した伝達手段は「郵便」でした。本書では、
マクシミリアン一世が整備した郵便ネットワークを中心に、
近代郵便制度の歴史をひも解いていきます。離れた場所の
情報を得られるようになり、人々の価値観はどう
変わったのか?当たり前のように情報のやりとりをしている
現代の私たちこそ、知るべきなのかもしれません。

『切手デザイナーの仕事』
間部香代/著 グラフィック社 2022年
私たちが日々使っている日本の切手。いろいろな
デザインがあって楽しいですが、全ての切手は、わずか
8人のデザイナーが作っています。本書では、彼らが
手掛けた切手の写真と仕事ぶりが丁寧に紹介され、
切手デザイナーという仕事の面白さや奥深さが伝わります。
精密な描写や色使いなど切手ができる過程やサイズの決まり、
印刷方法も様々で興味深いです。小さな切手の世界に
込められたデザイナーのこだわりと情熱を感じます。

『東京しるしのある風景』
松田青子/著 河出書房新社 2017年
「風景印」をご存じですか?郵便局の窓口等で希望すると
郵便物に押印してもらうことのできる消印(スタンプ)の一種
です。風景印には、局名・押印年月日と共に、局独自の
デザインで近隣のシンボルや草花等が描かれています。
著者と郵便局員とのユーモア溢れるコミュニケーションの描写
が面白く、傍らで押印してもらっている感覚になります。
御朱印集めのように様々な場所を巡り収集するのも楽しそうです。