アストリッド・リンドグレーンの世界〜自分の中の子どもを描いて〜
半世紀以上も前から、世界中の子どもたちに愛されている物語『長くつ下のピッピ』。この物語は、1人の母親が、風邪で寝込んだ7歳の娘にねだられて語ったおはなしがきっかけで生まれました。
その母親こそ、スウェーデンが誇る児童文学作家、アストリッド・リンドグレーンです。
1945年に彼女が生み出したピッピの物語は、出版されるや否やスウェーデン中にセンセーションを巻き起こし、やがて80ヶ国語以上の言語に翻訳されるようになりました。
その後リンドグレーンは、ひたすら遊んで過ごしたという自分の子ども時代を写した物語を次々と送り出し、ますます多くの読者を得ます。彼女の物語は、ユーモアにあふれ、等身大の子どもたちが縦横無尽に活躍します。自然の中で駆け回り、勇気と活力みなぎる子どもたちの集団は、現代には得がたいものですが、読むものに生きる喜びを教えてくれます。
今年はリンドグレーンの生誕100年にあたります。この機会に、自分の子ども時代に思いを馳せながら、あるいは我が子と喜びを共有しながら、リンドグレーンの世界に触れてみてはいかがでしょうか。