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宮本常一という人

  珍しい動物を見たいという好奇心、他人が持っていない動物を所有する優越感。動物園のはじまりは、支配階級のそんな欲望から始まったといえるでしょう。そして、動物への好奇心は動物学の研究へとつながり、1828年には市民階級によるロンドン動物園がオープン、近代動物園への幕開けとなりました。そして今、動物園は、動物が本来の姿で、生き生きと暮らし、繁殖する種の箱舟へと変わりつつあります。
画像:動物園にできること

『動物園にできること 「種の方舟のゆくえ」』

川端裕人 文藝春秋

 動物をみて眼を輝かす子どもたち。だが、動物園とは、動物にとって幸せな施設なのだろうか? 先進国アメリアで取材した動物園の意義、役割、環境保護、種の保存など多くの課題や考え方が浮かび上がる中で「動物園は正当なものか」の思いを胸に、筆者は日本の動物園にも出かける。

画像:戦う動物園

『戦う動物園』

小菅正夫・岩野俊郎 中央公論新社

 財政難のどん底から共に復活を遂げた、旭川市・旭山動物園と北九州市・到津の森公園。「動物園の使命はもう終わったのか?」その問いかけの前で、両園の園長がおくった試行錯誤の日々は、戦記とも呼べそうな迫力で読む者に迫る。これほどの熱意と努力で運営される動物園が、面白くないはずがない!

動物園学ことはじめ

『動物園学ことはじめ』

中川志郎 玉川大学出版会

 動物園とはいつごろからある施設なのか? その役割とはどのようなものか? そして動物たちの生命を人工的な環境の中で守るためにはどんな工夫が続けられているのか? 実際に勤務していた上野動物園での体験をまじえて紹介される動物園入門。

画像:もう一つの上野動物園史

『もう一つの上野動物園史』

小森厚 丸善

 動物園の古い飼育係は、自分が担当した動物が「逃げた」ら、「逃した」と、天寿を全うせず「死んだ」時は「殺した」と言え、と後輩に教えていたという。上野動物園で飼育係だった著者が、100年を超える動物園の歴史のなかで決定的だった場面をひも解く。飼育係としての著者の苦労がうかがえる34のエピソードが満載。

画像:動物園の歴史

『動物園の歴史』

佐々木時雄 西田書店

 1862年、遣欧使節団がパリで動物園を見たことから、日本での動物園作りが始められた。動物園の実現に向けて努力した田中芳男の努力。宮内庁に移管された上野動物園の、明治から昭和の戦前にいたる成立史が詳しく述べられている。著者は動物学の専門家ではないが、京都市岡崎動物園長を勤めた。

キリンが笑う動物園

『キリンが笑う動物園 環境エンリッチメント入門』

上野吉一 岩波書店 

 日本の動物園が、いま大きな変化を迎えている。動物の自然な行動を見せる「行動展示」や生息地の環境を再現して見せる「ランドスケープ・イマジネーション」などの展示技法の導入。動物の行動特性に配慮した飼育をする「環境エンリッチメント」。ただ動物を見せる場所から、動物や自然環境について楽しみながら学べる施設への変化がわかる。

画像:動物園で学ぶ進化

『動物園で学ぶ進化』

堀田進/編 東海大学出版会

 生物の進化を学ぶ方法とし、最も大切なことは実際に観察する事。どんなところにポイントを置いて動物を観察するかのヒントがいっぱい。本書を片手に、世界中から希少な動物を集め、保護飼育している動物園を、生物進化の学習の場所としよう。

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