世界が注目する日本の技術
『オンリーワンは創意である』
町田勝彦/著 文藝春秋 2008年
シャープ社長に就任すると同時に著者が掲げたのは、ナンバーワンではなくオンリーワンを目指す、液晶事業の「選択と集中」だった。テレビで成功しなければブランド力は上がらないという信念のもと、縮小された半導体事業の技術者たちとの攻防、「世界の亀山工場」稼動までの苦しみなどが、臨場感をもって語られる。
『にっぽん町工場遺産』
小林泰彦/著 日本経済新聞出版社 2009年
日本のものづくりは凄い。痛くない注射、大英博物館で売られているフィギュア、iPodの裏に輝く筐体。これらすべてが、今日も日本のどこかの町工場で作られている。様々な名品・傑作を生み出すものづくりの現場を訪ね、イラストを交えた読みやすい語り口で紹介する。
『和紙とケータイ』
共同通信社編集委員室/編 草思社 2005年
携帯電話の小型軽量化に、和紙が一役買っている。超高層ビルに導入されている五重塔の耐震技術、江戸時代に日本人が発明した回り舞台、遺伝子技術の発展に貢献する養蚕など、日本の伝統技術は進化し続け、世界に広がっている。幅広い分野から50例が取り上げられ、図や写真とともにわかりやすく説明されている。
『日本の技術 〜世界にはばたく日本力』
こどもくらぶ/編 ほるぷ出版 2009年
品質の良さや技術力の高さで、世界的な評価を受けている日本のものづくりの中から、金属加工技術、ロボット技術、木工技術、トンネル技術を取り上げる。子ども向けに書かれた本ではあるが、写真を多用した説明は大人にもわかりやすい。日本の技術の素晴らしさやその背景となるもの、高度な技術によって世界で活躍する日本人について知ることができる。
『道具にヒミツあり』
小関智弘/著 岩波書店 2007年
一昔前、日本の製品は「安かろう、悪かろう」と言われていた。ボールペンのインクが出なかったり、ファスナーが壊れたりという経験をした方も少なくないだろう。しかし現在は、日本の製品というと品質の良さや安心・安全の代名詞のようになっている。その陰には、良い物を作ろうとする職人の心と知恵があった。一つの製品がどれだけの苦労と努力で作られたかがわかり、感服させられる一冊。