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ものづくりの未来

  バブル崩壊後の経済不況や、グローバル経済化に伴う国際的な分業体制の進展のなかで、“ものづくり”を基盤とした日本の産業構造が大きく揺らいでいます。しかしながら、世界に誇る“ものづくり”こそが日本の強みであり、国際社会のなかで日本が果たすべき役割の一つではないかと考えられています。
“ものづくり”に対するビジョンを探りながら、日本の“ものづくり”のあるべき姿を考えます。
画像:『ものつくり敗戦』

『ものつくり敗戦』

木村英紀/著 日本経済新聞出版社 2009年

著者は、太平洋戦争における日本の敗因の一つは、「巧み」に頼るあまりに論理的な思考を停止させたことだったと述べている。理論(システム)軽視の風潮が未だに日本を呪縛していると警鐘を鳴らし、日本のものづくりが、「普遍性への感度の低さ」や「ハード偏重、ソフト軽視」などの課題を克服していかなければならないと提言している。

画像:『プロフェッショナルな修理』

『プロフェッショナルな修理』

足立紀尚/著  中央公論新社 2007年

悉皆屋による着物の手入れ、たる作りの老舗による桶の修理、リビルト・ピアノを生産する工場でのピアノの再生などを取り上げ、ものを修理する職人の姿を伝える。修理代を払ってでも、お気に入りのものを修理しながら長く使い続けることは、作り手・売り手の努力だけではできない。消費者の価値観で決まる、人とものとの付き合い方である。

画像:『ジャパンインパクト』

『ジャパンインパクト』

NHK「ジャパンインパクト」プロジェクト/編 日本放送出版協会 2003年

漆、和紙、金箔、磁器、日本刀。これらの伝統技術が、最先端テクノロジーに取り入れられていることは、あまり知られていない。環境にやさしい塗料として作られた“人工漆”、スペースシャトルの素材として期待される“磁器”など、千年を超えて伝えられた日本の技術と現代の科学技術の融合を試みる職人たちを紹介する。

画像:『良い製品=良い商品か?』

『良い製品=良い商品か?』

福田収一/著  工業調査会 2009年

高品質の製品を作ることを至上命令としてきたこれまでの「モノづくり」。しかし21世紀になると、人々はモノよりも心の満足を求めるようになってきた。「良い製品」が人々を満足させるとは限らない。現在の大不況は、産業構造の転換を促す契機ともなり得る。「モノづくり」から「価値づくり」へと変わりつつある日本の産業を探る。

画像:『ガラパゴス化する日本の製造業 』

『ガラパゴス化する日本の製造業 』

宮崎智彦/著 東洋経済新報社 2008年

日本のエレクトロニクス産業は、ハイエンド製品を求める国内市場を持ち、高性能な製品を生み出した半面、国際的なローエンド製品への需要には対応できず、企業の競争力を大きく毀損してしまった。独自の発展と引き換えに外界から孤立した現状は、ガラパゴス諸島の生態系に例えられる。アジア企業が躍進する世界市場を分析し、今後のビジネス戦略を提言する一冊。

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