浦安市立図書館

黒澤明・生誕100周年 

 「映画館から興奮して出てくるのでなければ、映画を見る意味がない。
    人間が生きて行くうえでのバイタリティーというか、
    そういうものをつかみとれる映画が少ないんだよ。
    感動から涙が出てきて仕方がないもの・・・
    つまり心に響いてくるもので映画も勝負すべきだ」
                              黒澤明    「東京新聞 夕刊」1964年4月2日より

  今年は、黒澤明監督の生誕100年ということで、各地の映画館で「黒澤明特集」が組まれているのを目にします。スクリーンで「七人の侍」を見てみたいと思っても、普段の時は映画館で昔の日本映画を見ることが難しいというのが現状です。若い世代で黒澤作品を見たことが無い人も多く、また、黒澤明の弟子だと豪語する、スピルバーグやコッポラなどの海外の作品は見ていても、その元となっている黒澤作品を見ていない人々がいるのは残念です。もし、「世界のクロサワというのは知っているが、実際には黒澤明の映画は観たことがない」という方がいたら、この機を逃さず、ぜひ映画館で見て欲しいと思います。
   今回、図書館では、黒澤明関連図書の紹介、及びその背景となる昭和史を併せて紹介しています。戦争、経済復興、事件など、様々な角度から見た日本の情況と、黒澤作品を照らし合わせると、なぜその映画をその時代に創ったのかが見えてきます。
   黒澤明監督が亡くなって今年で十二年、フィルムを通して、「人間を信じよう」という希望のメッセージが人々の心に響きます。まさに「人生は短し、されど芸術は長し」という言葉通り、黒澤映画は監督の挑戦や思い今も伝え続けています。

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