目で観る
「そだててあそぼう」シリーズ 『トウモロコシの絵本』
戸沢英男/編 農山漁村文化協会 1997年
作って、食べて、調べる。この3点を柱に図や写真を使ってわかりやすくまとめた「そだててあそぼう」は、特定の農作物を調べるのに便利なシリーズである。編集にはその作物の専門家が当たり、本格的な栽培法だけでなく、食べ方や加工法、歴史・文化・先人の知恵などを紹介している。子どもに限らず、家庭菜園の参考書として大人にも薦めたい。
ところで、トウモロコシの毛は何のためにあるのか? その秘密は本書で確かめてほしい。
『昆虫記』
今森光彦/著 福音館書店 1988年
1976年から1988年まで12年間の写真家今森光彦の観察記録。フィールド(観察場所)は著者が住む、滋賀県湖西地方。4月から3月まで月ごとに構成されている。虫たちの一瞬の姿、さまざまな表情、時間を追うごとの変化などが捉えられており、自然の美しさや神秘に思わず目を見張ることができる。7月のアブラゼミの羽化は、さなぎが少しずつ羽化し成虫になるまで、およそ7時間の変化を30コマの写真で追っている。著者の自然への愛情を感じ取れる本でもある。
『鳥の巣の本』
鈴木まもる/著 岩崎書店 1999年
鳥はなぜ巣をつくるのか? 巣をつくる場所や形、材料、つくり方、使い終わった巣はどうなるかなど、鳥の巣に関する疑問を色鮮やかなイラストで解説した図鑑。ツバメやスズメのような身近な鳥の巣から外国の鳥の巣までいろいろな鳥の巣を知ることができる。他にも、人間がつくった巣箱を利用する鳥、巣をつくらない鳥、鳥以外の動物の巣も紹介している。読むと鳥の巣をさがしてみたくなる、子どもから大人まで楽しめる一冊。
『原寸大すいぞく館』 本物の大きさ絵本
さかなクン/作 松沢陽士/写真 小学館 2010年
図鑑のほとんどは、縮小された写真に「体長〜cm」と書いてあるが、この図鑑は、なんと写真が原寸大で載っている。直径5mmのベニクラゲから全長で18mあるジンベエザメの顔。マンボウ、シャチ、シロイルカなど、水族館で人気の生物の顔などが、原寸大で掲載され迫力がある。中の折り込みページを開くと、ミズダコが現れ圧倒される。生物の特徴について簡単に記されているが、あくまでも見て楽しむ図鑑である。シリーズで『原寸大昆虫館』、『原寸大どうぶつ館』がある。