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大正ロマン

 
画像:『「少女の友」創刊100周年記念号』

『「少女の友」創刊100周年記念号』

実業之日本社/編  実業之日本社 2009年 

『少女の友』とは、1908(明治41)年に実業之日本社から創刊された少女向け雑誌だ。1955(昭和30)年に休刊するまで、なんと48年間に亘って多くの少女たちに愛読され続けた。本書は、明治・大正・昭和のベストセレクションを集め、2009(平成21)年に創刊100周年を記念して出版された。当時の掲載記事のほかにも、田辺聖子、安野モヨコ等の特別記念インタビュー、そして当時の愛読者や関係者たちの熱いメッセージも載せられており、『少女の友』という雑誌が、本当にたくさんの少女たちに夢や希望を与え、今も愛され続けていることを教えてくれる。表紙の中原淳一の少女の絵は、今見てもおしゃれで魅力的だ。

画像:『大正時代の身の上相談』

『大正時代の身の上相談』

カタログハウス/編 筑摩書房 2002年

「すべて思案にあまることの相談相手になりたい」との予告を載せ、大正3年、読売新聞紙上に身の上相談が登場。「ミカンを20個1度に食べる夫」を心配しての相談や、自分の性格が率直すぎて困る、などの無邪気とも思われる相談から、「恋人の心変わりが心配」「すべてが順調なのに不安になる」、「極度の恥ずかしがりの自分をなんとかしたい」など現代に通じる悩みもある。各章の終わりには、大正年間に書かれた文学作品の中から印象的な文章を引用し掲載している。

 
画像:『大正ロマン手帖』

『大正ロマン手帖』

石川圭子/編 河出書房新社 2009年

「大正ロマン」という言葉は大正時代には存在しておらず、1970年代後半に出現し、これ以降使用されるようになった。1960年代前半に再評価された大正期だが、近年も古き良き文化や風俗が注目され、そこにあらわれた個性と自由、さらに和洋折衷と新旧が融合した趣ともいえる「大正ロマン」に心ひかれ、夢や憧れを感じる傾向が生じている。竹久夢二美術館学芸員現職の著者が、大正時代のノスタルジック&モダンの世界を抒情画・おしゃれ・女性・芸能・文化生活の観点から紹介している。写真や絵、図版が豊富で見ているだけでも楽しい。現代にも通用するおしゃれなファッションやデザインの斬新さに驚かされる。

画像:『こどもパラダイス 1920−30年代絵雑誌に見るモダン・キッズらいふ』

『こどもパラダイス 1920−30年代絵雑誌に見るモダン・キッズらいふ』

堀江あき子・谷口朋子/編 河出書房新社 2005年

1920〜30年代は日本の元号で大正中期から昭和戦前期にあたる。大正デモクラシーの自由な空気のなかで、衣食住にわたって西洋化・近代化が進み、子どもたちを取り巻く環境も生活も変化したこの時代、子どもたちは何を食べ、何を考え、どのような日々を送っていたのだろうか。本書は、新しい時代の息吹を伝えようと、大人たちが子どもたちのために作った愛らしい雑誌、絵本の数々を紹介している。90年前の子供たちの日常をのぞいてみてはいかがだろうか。

画像:『チラシ広告に見る大正の世相・風俗』

『チラシ広告に見る大正の世相・風俗』

増田太次郎/著 ビジネス社 1986年

紹介されているチラシは、百貨店や洋服店に履物屋、ミルクホールや喫茶店のチラシから、扇風機、電気アイロン、ミシンなどの商品のチラシまで175枚。チラシの写真だけをざっと見ていっても、次第に暮らしが便利になってゆく大正時代の明るく勢いのある雰囲気を知ることができる。チラシには丁寧な説明がついておりわかりやすく、また明治や昭和のチラシも取り上げられているので前後の時代との違いの比較も面白い。前編はモダンな都市生活の大正の世相、後編は大正時代の庶民のくらしを取り上げ解説する。

画像:『大正イマジュリィの世界 デザインとイラストのモダーンズ』

『大正イマジュリィの世界 デザインとイラストのモダーンズ』

山田俊幸/編 ピエ・ブックス 2010年

「大正イマジュリィ」・・聞きなれない言葉だが、「イマジュリィ」とは英語の「イメージャリー」にあたる言葉である。つまり、「大正時代に人々に広まった複製図絵(イメージ)」を表している。この時代、印刷技術が急速に進化し、同時に装丁、漫画、広告といったデザイン画が多く発表された。それは西洋から入ってきた文化と調和し、新たな日本の芸術作品として生み出され、民衆に愛され続けた。本書では、夢二式と言われる美人画を描いた竹下夢二や、神秘的で妖艶な少女を描いた高畠華宵など、13人の芸術家の紹介をしている。美しさと、どこか懐かしさを感じる大正イマジュリィの世界を、堪能できる一冊である。

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