建築さんぽ
近年になり、国内の工場、ダム、高速道路、昭和期に建てられた団地やビルディングなど、さまざまな公共建築や
大型建築への関心が高まりを見せています。2014年は富岡製糸場と絹産業遺産群の世界文化遺産への登録が大きな
話題となりました。2012年に完了した東京駅舎の復元工事も記憶に新しいところです。
日本の近代化や戦後の高度経済成長といった歴史を今に伝える建築物は、近代化遺産・産業遺産としてその価値が
大きく注目されており、浦安市立図書館でも建築物の写真集や大人向けの社会見学といった関連資料の貸出が多くあり
ます。
一方で、将来に目を向けたとき、我が国の公共建築は大きな課題に直面していることがうかがえます。
東日本大震災の被災地復興、2020年にオリンピックを控えた東京の再開発では、地域社会の再生、開発と環境保全の
両立と持続性といった課題の解決が不可欠です。また、全国各地で、戦後に整備された橋やトンネルや水道といった
インフラが一斉に更新時期を迎えており、これら老朽化した社会資本の損壊が懸念されています。
今回の展示では、主に我が国の公共建築や大型建築を題材とした資料を中心に紹介します。本展示が日本の過去と
未来を探るきっかけとなれば幸いです。