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産業遺産

画像:ニッポンの塔

ニッポンの塔

橋爪紳也/著 河出書房新社 2012

古来より、人々は天に向けてそびえたつ「塔」という存在に憧れ、様々な想いを託してきた。本書では、浅草十二階、大阪城天守閣、東京タワー、通天閣、六本木ヒルズ森タワー、太陽の塔、東京スカイツリーといった近現代日本を代表する塔をあげ、7つの視点(物見の塔、公共の塔、電波の塔、大衆の塔、ひとがたの塔、都市の塔、塔の塔)から変遷をたどり、今なお人々を魅了してやまない塔と都市との関係性に迫る。貴重な図版も多数収録されている。

画像:建物の見方・しらべ方 近代産業遺産

建物の見方・しらべ方 近代産業遺産

日本産業遺産研究、文化庁歴史的建造物調査研究会/編者
 ぎょうせい 1998

群馬県にある「富岡製糸場」が世界文化遺産に認定されて、日本の近代化遺産に関心が高まってきている。近代化遺産は大まかに、産業・交通・土木の三つに分類することができ、近代産業遺産は、明治時代からのその土地に根付いた歴史的背景と共に近代化への歩みを現在の私たちに伝えてくれる。本書は、近代化遺産の中でも産業建造物に焦点を当て、貴重な建造物の保存や活用法にも言及している。巻末には指定登録一覧と全国近代化遺産マップがあり、まだ認定されていないが身近にある重要建造物を調べてみたいと考えている方や、観光で訪れる際にも役立つ一冊である。

画像:日本のテラコッタ建築 昭和・震災復興期の装飾

日本のテラコッタ建築 昭和・震災復興期の装飾

LIXIL出版 2012

関東大震災後の大正12年(1923年)から昭和12年(1937年)の間に、続々と建てられた建築がある。当時の百貨店やビルなどの公共建築は、震災直後の復興事業に伴って鉄筋コンクリートで建てられるようになった。そのコンクリートの外壁を飾る装飾として用いられたものが、テラコッタ建築である。テラコッタとは土を焼成して作られた陶器のこと。本書で見ることのできるテラコッタ建築の写真は華やかで美しい。テラコッタ建築は、現在では既に解体されているものが多いが、建築には時代背景が反映されていることを感じさせてくれる一冊である。

画像:ニッポンのタワー

ニッポンのタワー

豊科穂/監修 朝日新聞社 2012

日本のタワーというと、スカイツリーや東京タワーなど高層タワーを思い浮かべるが、高層ではない展望タワーの数は200以上ある。本書はその中でも「展望」や「建築」などの観点から厳選したタワーを、その構造やタワーから見た景観、トリビアになど、詳細に解説している。豊富な写真からは、建造物としての魅力や美しさが感じとれ、写真を眺めているだけでも楽しい。特にご当地タワーは、建設背景やその歴史から地域の象徴として人々に愛され、観光の拠点として根付いてきたことがよく分かる。見てよし、読んでよし!この本を片手にタワー巡りに出かけたくなる。

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