361〜364
361 『14歳からの社会学 これからの社会を生きる君に』
宮台真司/著 世界文化社 2008
「自分に関わる人全員と仲良くしなくてもよい。自分にとって必要な人とだけ仲良くすればいい。なぜなら今の社会は常に変化していて、昔の価値観とは異なっているからである。」学校では教えてくれない一見非常識な「社会の本当」を、恋愛や仕事等の身近なテーマに沿って解説。14歳という、子供から大人へ成長する人々へ贈る社会学の入門書である。読後、「社会」が変わって見えてくるかもしれません。
362 『家族の古代史』
梅村恵子/著 吉川弘文館 2007
源氏物語にみる一夫多妻制や通い婚は日本古来の結婚形態ではありません。他の文化同様家族の在り方も、日本は中国の影響を受けつつ、独自の形に変えていきました。本書は万葉集や日記文学を手がかりに、古代の結婚・家制度を検証します。とりわけ、正妻とその他の妻の立場の違いには興味深いものが……。男性中心の家族制度観をくつがえして注目された、『女性の歴史』(高群逸枝全集第4・5巻)も併せて読むことをおすすめします。
364 『日本の年金』
駒村康平/著 岩波書店 2014
少子高齢化が急速に進んでいる今、年金制度は、その役割を果たしているのでしょうか。この本では、家族形態や雇用形態の変化、団塊の世代が75歳に到達する2025年の危機、制度を支える財源の問題等を明確に分析しています。欧米の制度にも触れ、今後の安定した財政の確保や、働き方に左右されない公平な制度等、幾つかの改革案を提示しています。自分の年金は確保されるのか、真剣に考えさせられる1冊です。