365〜366
365 『マイホーム神話の生成と臨界 住宅社会学の試み』
山内理奈／著 岩波書店 2014
マンション広告は、ときに「マンションポエム」とも言われるほど、独特の大げさな言葉づかいで有名です。けれども、それは、私たちの夢の反映でもあります。超高層マンションの広告を集めて比較すると、そこに現れたイメージは、現代のあるべき「幸せな生活」の像と重なります。「住宅」は単なる商品ではなく、その時代ごとのあるべき家族・あるべき幸福のモデルでもありました。その夢のありかを探る研究です。
365 『新１３歳のハローワーク』
村上龍／著 幻冬舎 2010
大人になって働くことを当たり前に感じている人も多いと思います。けれども現在の「職業」に就くまでには、それぞれ悩みや面接等の試練があったのではないでしょうか？この本は13歳という自分の将来を考え始める子供たちが、身近にある教科等を入口にして職業を探すための事典です。職業人となった大人でも、現在の職業の分類されている教科を調べたり、得意な教科に分類されている他の職業を選んだ場合を想像したり、様々な楽しみ方ができそうです。
366 『限界にっぽん 悲鳴をあげる雇用と経済』
朝日新聞経済部／著 岩波書店 2014年
政権が代わるたびに様々な「改革」が打ち出されてきましたが、働き手への還元は二の次になっています。富める者と貧しさに苦しむ者との格差はさらに拡大し、雇用を大事にするこれまでの日本型経営は崩れつつあります。企業が情報管理を強めるなかで雇用危機に揺れる大企業や働き手に今、何が起きているのか。綿密な取材と調査から、厳しい現実を知ることができます。
