日本編
『日本(にっぽん)の地形・地質』
北中康文/写真 斎藤眞・下司信夫・渡辺真人/解説 文一総合出版 2012
本書は日本の世界自然遺産、ジオパーク、天然記念物、地質百選などに選ばれた絶景を、風景と地形を生み出す地質・地層・岩石に着目して解説した図鑑兼ガイドブックである。この本によって自然の雄大さや圧倒的な迫力を感じるとともに、その成り立ちを知ることで地層や岩石が身近な存在になり、絶景がより魅力的になるはずだ。
『鉄橋物語―日本の歴史的鉄道橋梁を訪ねて』
塚本雅啓/著 レイルマンフォトオフィス/写真 鉄道ジャーナル社 2013
鉄道にかかわるニュースを見るたびに、鉄道ファンの多いことを改めて感じる。鉄道に乗っているとき、鉄橋を通り過ぎるさまは、乗客としても、その姿を見ているものとしても、格別のものがある。本書では、そうした「特別な」鉄橋を美しい写真で紹介すると同時に、鉄橋の構造も解説する。鉄橋を、さらに深く「味わう」時に、お薦めの一冊。
『四国遍路』
辰濃和男/著 岩波書店 2001
四国八十八ヵ所、千数百キロを71日かけてひとりで歩き続けることを自らに課す旅。60代後半を過ぎ24年ぶりの歩き遍路に挑む著者は、元朝日新聞記者で「天声人語」を執筆していた経歴を持つ。山、海、雨、風などの自然描写が秀逸で「絶景」とは風景そのものではなく、個人の心象風景であると思わずにはいられない。
『日本百名島の旅』
加藤庸二/著 実業之日本社 2013
島に魅かれる人々がいる。東京竹芝から1,000キロ離れた小笠原諸島、瀬戸内海に点在する島々。日本の最西端にある与那国島では、60度の花酒を造っている。島には独自の文化があり、本土とは異なる時間が流れている。日本には無人島も含めると6,800以上もの島があるという。‘島大好き人間’である著者が選んだ、一生に一度は行っておくべき百名島。
『新・日本百名道―美しい日本の道、新選100!!』
須藤英一/著 大泉書店 2013
著者はオートバイツーリング写真を撮影する写真家。まさに日本の道を知り尽くしているスペシャリスト。車、オートバイ好きなら一度は走ってみたいと思う道路ばかり。いくつかの道には鳥瞰図があり、撮影ポイントを知ることができる。巻末にはインデックス、データが掲載されており、おすすめの時期がわかる。
『日本の夜景絶景50』
渋川育由/編 河出書房新社 2010
日本3大夜景の1つ函館にはじまって、日本列島の北から南に向かって、印象的な50の夜景を紹介。自然の織り成す不思議からライトアップされた歴史的建造物、現代建築群の美しさ等、昼とはまたちがった景色の美しさに目を見張るものがある。
『巨石巡礼―見ておきたい日本の巨石22』
アスペクト編集部/編 アスペクト 2011
なぜこんな造形なのだろうかと、思わず写真の数々に見入ってしまう。重なったもの、割れたり浸食したり苔むしているもの。交通アクセスが比較的良い場所と、現地へ行くまでに困難を極める場所とが、巻頭に星の数で示されているのもありがたい。