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322 『捕物の世界』(全3巻)目で見る日本風俗誌
今戸榮一/編 日本放送出版協会 1983年
町奉行や与力など聞き覚えはあるものの実際にはよく知らない江戸時代の捕物が、豊富な絵や写真を用いて解説されています。歌舞伎や映画、ドラマで使われている江戸の風俗についても言及されていて興味を引きます。江戸幕府の刑事関係成文法規『公事方御定書(くじかたおさだめがき)』のうち刑法、民訴などを収めた『御定書百箇条(おさだめがきひゃっかじょう)』には、境界争いや拾得物の取り扱いなどの裁きが定められていて、争い事の種は今も昔もあまり変わっていないことがわかります。
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323 『あたらしい憲法のはなし』(復刊)
童話屋編集部/編 童話屋 2001年
この本は、日本国憲法が公布された翌年1947年8月2日に、文部省が中学1年生用の社会科の教材として発行した小冊子を復刊したものです。戦争が終わり生まれ変わろうとしていた我が国は、新しい憲法を作り自由と民主主義の国家を理想に掲げました。国民の大切な権利や、もう二度と戦争はしないという尊い誓いについて、子どもたちに伝わるように丁寧に説明した本書には、新しい憲法に対する熱い思いが込められています。
323 『いま、「憲法改正」をどう考えるか』
樋口陽一/著 岩波書店 2003年
第二次世界大戦前の立憲主義が挫折に終わった理由を問うことが日本国憲法の核心を明らかにするという意図のもと、日本社会が憲法をめぐる問題にどう向き合ってきたかを明治期に遡って検証しています。改憲の議論は繰り返し主張されてきましたが、いまだ実現していません。その理由は何かを考え、同時に「自民党改憲草案」の問題点を明らかにしてゆきます。今の政治に流されず、改憲を決めさせないことが大切との主張を明らかにして論旨を終えています。
323 『白熱講義!日本国憲法改正』
小林節/著 ベストセラーズ 2013年
自由民主党が作成した「日本国憲法改正草案」を読んだことはありますか。本書では、平成24年4月に発表されたこの改正草案の全文を掲載し、著者の見解が○×△の記号とコメント付きで述べられています。著者は改憲派の憲法学者ですが、草案には良い点と悪い点が混在していると指摘し、その問題点や改正の論点について言及しています。巻末には現行の日本国憲法の全文も掲載されており、改正草案と比較して読むことができます。