だれもが自分らしく生きる・子どもの本で考えるバリアフリー
はじめに
日常生活を送る上で、ちょっとしたことで困っている方は、意外に多いのではない でしょうか? たとえば近視。でも、メガネをかければ、自分は障がい者であると考 える人はいないと思います。困らないような補助具や仕組みがあればハンディは克服 できるからです。
平成28年4月より、障がいを理由として不当に差別することを禁止する「障害を理由 とする差別の解消に関する法律」(略して「障害者差別解消法」)が施行されました。 この法律は障がいのある人もない人も、互いにその人らしさを認め合いながら、共に 生きる社会をつくることを目指すものです。
最近は様々な職業やスポーツなどでも、生き生きと活躍する障がい者が注目される 機会が多くなりました。そして、「障がいは個性である」、「障がいを持つことは不 便だけど不幸ではない」、「障がいは持っている人に有るのではなく、周りの環境や 周りの人の心にある」など、障がい者に対する見方も変わってきています。
ここでは障がいやバリアフリーをテーマにした児童書を紹介しています。 子どもたちが、これまで社会にあった差別・偏見を克服し、困っている人がいればその 気持ちを理解して手を差し伸べ、障がいがあるからこそ見える視点を学ぶことはとても 重要です。そして、具体的にわかりやすく書かれた児童書は、大人にとっても理解を深 める上で役に立つものでしょう。こうした本との出会いが、「だれもが自分らしく生き る」社会を考えるきっかけになればと願っています。