ノーベル賞に輝いた日本人たち
12月10日―アルフレッド・ノーベルの命日であるこの日に、毎年スウェーデンのストックホルムでノーベル賞の授賞式が行われます。
ノーベル賞が始まったのは今をさかのぼること100年以上前。ダイナマイトを始め数多くの発明で大富豪となったノーベルの遺産を基金として1901年に設置されました。当時の日本は明治34年、日露戦争を前に富国強兵に邁進していた頃です。ノーベル賞はそんな時代に全世界を対象として創設された国際的な賞であり、今もなおその権威・信頼は他の追随を許さないものがあります。
日本では、1949年に湯川秀樹が初受賞し、その後20名以上の日本人がノーベル賞に輝いています。これは、科学技術の中心を担ってきたヨーロッパの国々やアメリカを除くと、際立って人数が多いことをご存知でしょうか。
ノーベル物理学賞に輝いた江崎玲於奈氏は「日本は科学技術の自己評価を回避している」
と受賞直後の1973年に発言しています。近年では日本国内での大学や研究所での研究が評価されるようになってきましたが、欧米に比べて科学研究費の少ない日本では、国内で画期的な発見・発明をしたとしても発展的な研究が続かず、海外に拠点を移してから大きく花開くというケースも少なくありません。
毎年誰が受賞するかで一喜一憂するノーベル賞。今回の展示では、自然科学分野の賞を受賞した日本人たちを中心に紹介します。次の受賞者が誰なのか、期待を込めながらご覧いただければ幸いです。
※今回の展示では、日本出身で外国籍の受賞者も紹介しています。