ノーベル賞について
ノーベル賞 二十世紀の普遍言語
矢野暢/著 中央公論社 1988
アカデミーでのノーベルレクチャー、豪華な晩さん会、賞金の受け取りなど、ノーベル賞授賞式前後の各種イベントの様子はどうなっているの? ノーベル財団の資金はどのように運用されているの? メダルのデザインが賞によって違う? ノーベル賞設立の経緯から候補者の選考方法、受賞後の各国での政治的介入など、ノーベル賞が普遍価値を持つが故の光と影を余すところなく紹介している。
ノーベル賞の100年
馬場錬成/著 中央公論新社 2002
ノーベル賞の選考経過に関する報告文書は受賞後50年間公開されない上、研究者以外は閲覧することもできない。本書は、科学ジャーナリストである著者が自然科学の3分野での受賞者とその業績をまとめたもので、20世紀の科学技術の歴史についても知ることができる。日本人受賞者たちのエピソードや、候補に挙がっていた北里柴三郎や野口英世らがなぜ受賞は逃したのかも紹介されており興味深い。
ノーベル賞はこうして決まる
アーリング・ノルビ/著 創元社 2011
1973年から20年以上にわたってノーベル生理医学賞の選考委員会に携わり、1997年から2003年までスウェーデン王立科学アカデミーの事務総長であったアーリング・ノルビ氏の大作。世界各地で行われた講演や発表した論文などをもとに、ノーベル文書館やカロリンスカ研究所文書館などに保存されている貴重な資料を調査して著した。生命科学分野を中心に選考過程についての様々な例を挙げ、科学の発展が学説や解釈を変えていく様子が読み取れる。
イグ・ノーベル賞 世にも奇妙な大研究に捧ぐ!
マーク・エイブラハムズ/著 講談社 2009
イグ・ノーベル賞は、まず人を笑わせ、次に考えさせる研究や業績に授与される賞で、1991年に科学雑誌の編集長だった著者が創設した。賞金はなく、賞品も安物の材料で手作りしたものを贈呈しているが、授賞式は米国ハーバード大学で行われ、受賞の認定証には本物のノーベル賞受賞者が署名をしている。これまで受賞してきた23の業績を紹介した本書では、日本の「カラオケ」(平和賞)と「たまごっち」(経済学賞)も取りあげられている。