大陸の中では最も小さく、国はただひとつオーストラリアのみです。しかし、ひとつの国の中には、先住民族であるアボリジニ、流刑地としてやってきたイギリスの罪人、開拓のロマンを夢見た移住者など様々な立場や民族を内包しています。
ニュージーランドをはじめとしたオーストラリア大陸周辺の島々の文学や、オーストラリアへ移住・滞在した日本人のルポルタージュも紹介します。
25年目の「ただいま」
サルー・ブライアリー/著 舩山むつみ/訳 静山社 2015年
著者は5歳の時にインドで迷子になり、その後、オーストラリア人夫妻に養子に迎えられ愛情をもって育てられました。しかし、インドの家族のことを考えない日はなく、子どもの頃のどんなに小さな記憶も忘れないように自分自身に語り続けてきました。カレッジに入った彼は子どもの頃の家を探し出そうと決意します。そのかすかな記憶と結びつけて使ったのは「グーグルアース」!サルーの調査の旅が始まります。
ミスター・ピップ
ロイド・ジョーンズ/著 大友りお/訳 白水社 2009年
1990年初頭、独立抗争に揺れるブーゲンヴィル島。物語はその頃13歳だったマティルダの語りで進みます。学校が再開することになり、新しく先生になったのは村で唯一の白人、ミスター・ワッツ。ミスター・ワッツはディケンズの『大いなる遺産』を一日一章、子どもたちに読み聞かせることにしました。本がくれたもうひとつの世界に旅したマティルダ。そしてこの一冊が人々の人生を変えることになるのです。
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