カナダ、アメリカ合衆国という大国が目立つ北アメリカ大陸ですが、可能な限りメキシコ、コスタリカ、・・・などの国の作品も集めました。多様な作家を生み出しているカナダ、アメリカ合衆国からは、涙をのんで載せなかった作家も多くなってしまいました。
それぞれの国ごとに、語学の本、和書、洋書取り混ぜて並べています。
アルジャーノンに花束を 新版
ダニエル・キイス/著 小尾芙佐/訳 早川書店 2015年
幼児並みの知能しかないチャーリイは、頭を良くしてくれるという臨床実験に、白ネズミのアルジャーノンを競争相手に進んで参加します。けれど治療と同時に過去の不幸な記憶が呼び戻され、一方で知能は常人の域を超えていきます。彼を愛した周りの人々との距離もどんどん離れてゆき、ついにチャーリイは研究から逃亡を図ります。知能とは、人の心とは何なのか、結末のチャーリイのメッセージが心に響きます。著者追悼の訳者あとがきがついた新版。
イラクサ
アリス・マンロー/著 小竹由美子/訳 新潮社CRESTBOOKS 2006年
子どもの頃、父親が地域一帯の井戸掘りをする間だけ滞在していたマイクは、「わたし」よりも少し年上で、二人は兄妹を超えた濃密な日々を過していました。けれど井戸掘りは終わり、マイクは行方がわからなくなります。やがて「わたし」が一人目の夫と娘たちと決別した夏、友人の別荘でマイクと再会します。丁寧な心情表現が描かれていない年月を思わせ、短編とは思えない読み応えがあります。表題作「イラクサ」の他に八編の作品が納められた短編集。
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